[国際金融市場]

(1)日米欧国際市場、中銀が支える(1月17日) ***

日米欧で、中央銀行が国債市場を支える構図が強まっている。いずれも長期金利の抑制を狙うが、景気、財政への市場の見方が変われば、金利が上昇しかねないリスクもはらむ。

米連邦準備理事会(FRB)の米国債保有額は、約1兆2000億ドルに膨らんだ。米国の財政赤字は、今年度1兆4000億ドルに達する見通しだ。FRBはその6割相当を年央までに買い取り、保有額は国債残高の約2割になると見られる。

日銀は、国債保有額は昨年12月末で77兆円弱に及ぶ。国債残高に占める割合は、08年末の8.0%から8.9%へと上昇し、1割に迫りつつある。

欧州中央銀行(ECB)は、昨年5月ギリシャの財政危機を受け、財政不安のユーロ加盟国の国債に限定して買い取りに踏み切った。信用不安の国の国債利回りの急上昇に歯止めをかけ、信用不安が広がるのを防ぐ狙いだ。ただ、買い取り資金を市場にあふれさせる日米中銀とは異なり、インフレを抑えるECBは購入分と同額の資金を市場から吸収し、過剰流動性が生まれないようにしている。

ECBによると、買い取り総額は約40億ユーロで、財政不安が飛び火すると買い取りを増やすなど状況に応じ購入ペースを変えている。トリシェ総裁は「購入は今も続けている」と語っている。


[アメリカ経済]

(1)フェイスブック、グーグル抜き昨年首位(1月11日) **

10年の米国のネットサイト訪問者数シェアで、交流サイト最大手の米フェイスブックが検索最大手の米グーグルを抜き、首位に立ったとみられる。フェイスブックは、通年での首位は初めてで、めまぐるしく攻守が入れ替わるIT業界を象徴する出来事といえそうだ。

グーグルはネット検索で急成長し、08年には交流サイト大手のマイスペースから首位の座を奪ったが、3連覇はならなかった。利用者数が全世界で5億人を超えたフェイスブックは米国で存在感を増しており、グーグルの快進撃を止めた格好だ。

ただ、グーグル傘下の動画共有サイト「ユーチューブ」などを合算すると、グーグルのシェアはフェイスブックを上回る。