[国内金融市場]

(1)銀行の国債購入最高に(2月22日) ***

銀行が、積極的に国債を購入している。2010年の短期証券を除く国債の買い越し額は、大手銀行や地銀で過去最高になった。企業や家計への貸し出しが伸びない中、一定の利回りが見込める国債への資金シフトが鮮明だ。

3メガなど大手銀行の10年の国債買い越し額は約8兆7000億円、地銀は約7兆円と、過去最高を更新した。大手銀行は、1月も約2兆7000億円を買い越した。その内訳は、2年物や5年物といった中期国債が、約2兆2000億円の買い越しだ。長期国債は、相場の先行きに不透明感が強く、金利リスクが大きくない中期国債の購入に踏み切ったためだ。

大手銀行に比べ地銀は、償還までの期間が長く、利回りも高い国債の購入意欲が強く、昨年は10年物国債を約5兆円買い越した。

金融危機後に、安全志向を強めた個人が、預金への資金シフトを進めている。一方、企業部門は資金需要の盛り上がりに欠け、銀行は貸し出しを伸ばしにくい。こうした構図が、マネーを国債の購入に向かわせている。昨年大手銀行の預金は約4兆2000億円も増えたが、貸出金は約9兆円減った。これだけで、合計13兆2000億円の資金がだぶついたことになる。

2月に入り、債券相場が軟調で、金利の先高感が強まってきた。国債に損失が発生するリスクも意識されており、銀行の国債購入は一服するとの見方も出ている。