[財政]

(1)「国の借金」919兆円(2月11日) ***

財務省は、国債や借入金など合わせた国の借金が10年末時点で919兆1511億円に達したと発表した。09年末比で47兆6407億円増え、過去最悪を更新した。国債が48兆円あまり増えた。一人当たりの借金は、約722万円となる。

10年9月末時点の家計の金融資産から負債を差し引いた純資産は、1076兆円だ。三菱総研の試算では、20年ころには地方も含めた一般政府の債務残高が、家計の純資産残高を上回る可能性があるという。

政府は、20年度までに政策経費の財源不足を解消して、債務残高の増加に歯止めをかける目標を掲げているが、名目3%を上回る経済成長でも達成できない見通しだ。目標達成には、成長戦略を前提に、一段の歳出削減と歳入増が不可欠だ。


[金融市場]

(1)景気踊り場脱却に自信―日銀総裁(2月8日) **

日銀の白方総裁は、国内景気の動向について「踊り場から脱却する蓋然性が高まってきた」と述べた。日本経済が外需主導で昨年秋からの足踏み状態を脱し、1〜3月期にも緩やかな回復軌道に戻る可能性が大きいとの自信を示した。

ただ、景気が悪化する場合には、資産買い取りの増額なども考えうると述べ、国際や社債など5兆円に上る資産買い取りの拡大に含みを持たせた。潤沢な資金供給も必要だが、これだけでデフレの問題が解決するわけではないとも指摘し、政府の成長戦略も必要だとの見方を示した。

具体的には、自由貿易協定(FTA)や経済連携協定(EPA)の拡大などを通じ、日本経済の生産性を高めるよう求めた。

日本の財政悪化に関しては、「歳出を減らし歳入を増やす努力なしには、健全化が実現しないことを、十分に認識する必要がある」と語った。日本の長期金利上昇が限られているのは、政府が中長期的な財政健全化に取り組む意思があると、市場が認識しているからだと指摘した。