[企業部門]

(1) 円高で海外シフト4割(8/23) ***

日本経済新聞の「社長100人アンケート」で、現在の円高が続くと新興国での現地生産を拡大する必要があると回答した経営者が4割に達した。円高抵抗力を高めてきたが、現状では、7割の経営者が収益悪化の要因となると回答した。東芝など主要製造業が海外での生産を加速しており、国内産業の空洞化懸念が強まっている。

先週末の外国為替市場で円相場が一時1ドル=75円95銭と過去最高値を更新した。円高による収益悪化への対策を複数回答で聞いたところ、次のとおりであった。

国内のコスト削減 50.0%
部品・原材料の海外調達拡大 47.9%
新興国での現地生産の拡大 37.5%

国内での事業活動が難しくなりつつあると感じている経営者が多い。

政府・日銀が取るべき政策として、複数回答で聞いたところ次のとおりであった。

為替介入の継続・拡大 46.9%
法人税率の引き下げ 45.8%
TPPやFTAへの参加 45.8%

一方で、円高で買収コストが下がることを見込んで、海外でのM&Aが加速しそうだ。そして、円高の恩恵を受ける企業も増えている。商品の半分を輸入する靴販売のエービーシー・マートは、円高により今期の純利益は過去最高になる見通しで、70店以上を新たにオープンする。商品の8割を輸入するニトリホールディングスは、1円の円高で10億円の増益要因だ。


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