[国内景気動向]

(1)日銀12月短観、大企業製造業7期ぶり悪化(12/15) ***

日銀が発表した12月の企業短期経済観測調査(短観)によると、企業の景況感を示す業況判断指数(DI)は、大企業製造業でプラス5となり、9月の前回調査から3ポイント低下した。DIの悪化は、1年9ヶ月ぶりだ。エコカー補助金の打ち切りや海外経済の減速が響き、自動車や電機を中心に景気の回復が足踏みをしていることを反映した。3ヶ月先を予想するDIはマイナス2だった。

企業の業況判断DIは、景況感をよいと答えた企業の割合から悪いと答えた企業の割合を差し引いた値だ。大企業製造業のDIは、リーマン・ショック後の09年3月に過去最悪のマイナス58をつけた後、上向いてきたが、改善基調がいったん途切れたことになる。

大企業非製造業のDIは、プラス1で前回比1ポイント低下した。12業種中9業種が悪化した。

10年度下期の想定為替レートは、前回の1ドル=89円44銭から83円87銭へと、現状の円相場に近い水準へと引き上げられた。

10年度の新卒採用計画は、大企業が前年度比31.1%減で、94年度の32.0%減に次ぐ過去2番目の大幅な減少となった。11年度もさらに0.8%の減少を見込んでいる。

[業況判断指数(DI)]
今回 先行き
大企業製造業 5(−3) −2
大企業非製造業 1(−1) −1
中小企業製造業 −12( 2) −23
中小企業非製造業 −22(−1) −29


[中国経済]

(1)インフレ懸念、消費に影(12/12) ***

中国でインフレ懸念が高まり、個人消費に影響が出始めた。中国国家統計局が発表した11月の消費者物価指数(CPI)は、前年同月比5.1%上昇した。2年4ヶ月ぶりに5%の大台を突破し、政府目標の3%を5ヶ月連続で上回った。野菜や食品の価格上昇が主な要因である。CPIの上昇のうち、74%が食品価格上昇による。買い控えも起きている。

11月の卸売物価指数は、前年同月比6.1%と10月を大きく上回った。銅、アルミなどは16.5%上昇、石油、石炭などの燃料は9.8%と原材料の上昇圧力が続いている。中国の工業生産は13.3%増と引き続き好調だが、コスト上昇圧力が収益を圧迫し、企業活動に打撃を及ぼす懸念が高まっている。