[国内景気動向]

(1)4〜6月期0.4%成長に鈍化(8/16) ***

内閣府によると、4〜6月期の実質GDP成長率は、前期比0.1%増、年率換算で0.4%増となった(速報値)。3四半期連続でプラス成長となったが、1〜3月期の4.4%より大幅に鈍化した。そのため、日本の名目GDPは、ドル換算で中国を下回った。政策効果の一巡などで、景気回復のペースが鈍っていることが明らかになり、同日の東京市場では、株価の下落と長期金利の低下が加速した。

生活実感に近いとされる名目GDPは、前期比0.9%減、年率換算で3.7%減と、3期ぶりのマイナス成長に転じた。

今期の実質成長率0.1%のうち、内需は0.2%の押し下げ要因、外需は0.3%の押し上げ要因となった。外需では、輸出が5.9%増と5期連続でプラスとなり、輸入は4.3%増となった。


[IT製品]

(1)iモードにアップル流(8/19) **

NTTドコモは、今秋iモードが使える携帯電話で、さまざまなアプリを取り込める新サービスを始める。アップルの高機能携帯電話(スマートフォン)向けには、22万本以上のアプリが開発され、アイフォーン人気を支えている。国内で5500万人の契約者を抱えるドコモは、9割以上が従来型の携帯電話を使っており、スマートフォン並みのアプリを楽しめるようにする。

新サービスでは、開発者向けにアプリ配信のための専用サーバーも用意する。携帯電話料金と一緒にアプリの代金回収を代行し、高価なネットワーク機器がなくても開発できるようにする。趣味でソフトを開発している個人にも門戸を広げ、多彩なアプリをそろえる方針だ。

日本の携帯電話メーカーは、これまで端末の魅力を高めるためにハードの機能向上を競ってきたが、アプリなどを提供する仕組みが主戦場になりつつある。

アプリを事業の中核にすえるモデルは、携帯からテレビに広がる可能性もある。グーグルは、11年初めから、携帯向けソフトをテレビでも使えるようにする。テレビ向けサービスの「グーグルテレビ」を携帯向けソフトに対応させ、ソフト販売の拡大につなげる。


[財政]

(1)厚生年金、「支え手」減る(8/15) ***

会社員が加入する厚生年金で、現役世代の負担が膨らんでいる。高齢者一人の年金を何人の現役世代で支えているかを示す「年金扶養比率」をみると、09年度末の比率では、2.47人と08年度末に比べ0.13低下した。年金を受け取る退職者が約62万人増え、厚生年金加入者はリストラなどで約20万人減ったためだ。景気後退などで会社員の負担増に拍車がかかっている。

年金制度は、現役世代が払った保険料で高齢者の年金を支える。年金扶養比率が低くなるほど、現役世代の負担が重いことを意味する。年金扶養比率は、1970年度末に42人だったが、その後低下し、04年度末に2.91人と初めて3人を割り込み、09年度末は2.5人を下回った。

今後も現役世代の負担は重くなりそうだ。09年の財政見通しによれば、厚生年金の年金扶養比率は、30年度に2.09人と2人を切る寸前まで低下する。国民年金の状況はさらに悪く、08年度末に2.55人、15年度末には2人になる見通しだ。

09年度の厚生年金の給付費は23兆7500億円、保険料収入は約22兆2400億円だった。当面の収入の減少は、厚生年金の積立金約120兆円で賄える。しかし、積み立て金にも限界があり、景気後退などで加入者の減少が急速に進めば、保険料率や支給開始年齢など負担と給付の見直しが必要になることもある。