[景気動向]
(1)景気先行指数、6ヶ月ぶり改善(5/13) ***
内閣府による3月の景気動向指数(CI,05年=100)によると、数ヶ月先の景気動向指数を示す先行指数が76.6と、前月比2.1ポイント上昇した。現状を示す一致指数は、前月比で0.3ポイント低い84.9と3ヶ月連続で下がったが、低下幅は前月の2.8ポイントより縮小した。
先行指数の改善は6ヶ月ぶりで、内閣府は「下げ止まりの兆しがみられる」と分析した。在庫調整の進展で生産に底打ち感が出ており、中小企業の業況感や消費者心理にも持ち直しの兆しが見られる。ただ需要は低調で、雇用も悪化が続いており、本格回復の道のりはなお遠い。
[金融情勢]
(1)上場地銀、過半が最終赤字(5/11) ***
上場地銀・第二地銀87行・グループの09年3月期決算は、少なくとも48行・グループが最終赤字を計上する。金融市場の混乱で、有価証券の価値が急落し、不良債権処理損失の増加も響いた。赤字計上が、全体の過半に達するのは初めてだ。傷んだ財務基盤の立て直しに向け、公的資金の活用や地銀再編の動きが活発化しそうだ。
上場地域銀行の最終損益は、約4000億円超の赤字に転落する見通しだ。前期は、約6500億円の黒字だった。2000年前後に日本を覆った金融危機と比較しても、全体の過半数が赤字となる今の経営環境は、苦境振りが際立っている。
[アメリカ経済]
(1)米財政赤字、180兆円に拡大(5/12) **
オバマ大統領は、初の予算教書の詳細を発表した。09会計年度(08年10月〜09年9月)の財政赤字を過去最大の1兆8410億ドル(約180兆円)と予測した。財政赤字は、GDP比では12.9%と、2月予測からさらに0.6ポイント悪化する。赤字拡大は景気悪化による税収見積もりの下ぶれに加え、失業対策や金融安定化関連で歳出増を見込んだためだ。前提は、2月予測と同じで09年暦年の実質成長率はマイナス1.2%と予測している。