4月第1週(3/29〜4/4)(最高3つの*)

メインテーマ: 米失業率悪化、8.5%に
その他のテーマ: 日銀短観、市場、見通し改善好感
雇用情勢、一段と厳しく
非正規労働者、失職19.2万人に拡大
欧州中銀、0.25%利下げ

[景気動向]

(1)日銀短観、市場、見通し改善好感(4/1) ***

 1日発表された日銀の企業短期経済観測調査(短観)は、景況感が過去最悪となったが、あらかじめ想定していた株式市場では日経平均株価が4日ぶりに反発した。業況判断指数(DI)が予想の範囲内だったことに加え、3ヶ月先の景況感が改善していることに注目する向きもあった。ただ、今月から日米主要企業の決算発表が本格化する予定で、市場では実体経済の一段の悪化への警戒感も強い。

[業況判断指数(DI)の動き]
大企業 製造業 −58(−34)
非製造業 −31(−22)
中小企業 製造業 −57(−28)
非製造業 −42(−13)

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[雇用情勢]

(1)雇用情勢、一段と厳しく(3/31) ***

 雇用情勢が、一段と厳しさを増している。厚生労働省によると、2月の有効求人倍率は0.59倍と前月を0.08ポイント下回り、03年2月以来の低水準となった。総務省が発表した2月の完全失業率は4.4%と、前月比0.3ポイント上昇した。雇用削減の動きが、非正規社員から正規社員に波及している。生産には一部に底入れの兆しも見え始めたが、雇用情勢が改善するには時間がかかりそうだ。

 有効求人倍率は、ハローワークで職を探している人一人当たり何件の求人があるかを示す。1倍台を保っていた東京都が0.91倍になり、すべての都道府県で有効求人倍率が1倍を割った。地方だけでなく都心でも職探しが難しくなっている。

 景気の先行指標といわれる新規求人数は、前年同月比30.1%の大幅減だ。飲食・宿泊業と医療・福祉が減少に転じ、すべての業種でマイナスとなった。

 完全失業率は、15歳以上の働く意思のある人のうち、まったく職についていない人の比率だ。失業率が4.4%に乗せたのは、06年1月以来だ。完全失業者数は、299万人と前年同月比33万人増えた。

 業績が厳しい企業は、政府が休業手当の一部を支援する雇用調整助成金に駆け込んでいる。対象人数は、前月比2.1倍の約186万人に膨らんだ。雇用調整助成金が、失業率の上昇を和らげた面もある。


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(2)非正規労働者、失職19.2万人に拡大(3/31) ***

 厚生労働省が発表した昨年10月から今年6月までに失職したり、失う予定の非正規労働者数は、3月調査で19万2,061人となった。2月調査と同じ期間(昨年10月から今年3月)でみると、18万4,347人で約2万6千人増えた。

 内訳を見ると、派遣労働者が12万5,339人で全体の約65%だった。契約社員は3万9,195人(20%)だった。請負労働者は1万5,556人(8%)だった。

 業種別では、製造業が全体の約94%だ。都道府県別では、愛知県が3万2,014人で最も多かった。

 業績が厳しい企業は、政府が休業手当の一部を支援する雇用調整助成金に駆け込んでいる。対象人数は、前月比2.1倍の約186万人に膨らんだ。雇用調整助成金が、失業率の上昇を和らげた面もある。


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[アメリカ経済]

(1) 米失業率8.5%に悪化(4/4) ***

 労働省による3月の雇用統計によると、失業率は前月より0.4ポイント高い8.5%となり、25年4ヶ月ぶりの水準に悪化した。景気動向を反映する非農業部門の雇用者数は、前月比66万3千人減少した。昨年1月からの合計で、約500万人に達した。戦後最悪ペースでの雇用悪化は、消費の下押し要因となる。

 07年12月からの景気後退局面での雇用者数減少は、約3分の2が信用収縮の深刻化した昨年11月以降の5ヶ月間に集中している。毎月60〜70万人という戦後最悪のペースで雇用が失われている状況が続いている。雇用調整は、主要企業から中小のサービス業まで幅広い業種に広がっている。

 雇用・所得環境は、景気の実勢に遅れて変動する。一方で、耐久財受注など先行指標には下げ止まりの兆しもある。


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[欧州経済]

(1)欧州中銀、0.25%利下げ(4/3) ***

 欧州中央銀行(ECB)は、定例理事会でユーロ圏16カ国に適用する政策金利を0.25%引き下げ、年1.25%にすることを決めた。トリシェ総裁は、追加利下げを示唆し、市場ではECBが社債購入など量的緩和を検討しているとの見方が出ている。すでに、イングランド銀行が、国債や社債などの購入による市場への資金供給の拡大に踏み切っている。 政策金利は、99年の通貨統合後の過去最低を記録した。


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