[景気動向]
(1)景気下げ止まる動き、一致指数改善(6/10) ***
内閣府による4月の景気動向指数(05年=100)は、景気の現状を示す一致指数が前月比1.0ポイント高い85.8となり、11は月ぶりに改善した。生産に持ち直しの兆しがあり、製造業では残業時間や中小企業の売上高がプラスに転じた。内閣府は、基調判断を従来の「悪化を示している」に「下げ止まりの動きも見られる」との表現を加え、9ヶ月ぶりに上方修正した。
一致指数は、速報段階で使う9つの指標のうち、生産や出荷、商業販売額など7つが改善した。数ヶ月先の情勢を示す先行指数も、2ヶ月連続で上昇した。民間シンクタンクの多くは、1〜3月期が景気の底との見方を強めている。
[EU経済]
(1)EU、資本注入枠42兆円(6/9) **
欧州連合(EU)の金融対策に関する報告書が明らかになった。昨年来の金融危機で、加盟27カ国が打ち出した金融機関への資本注入枠は、約3,100億ユーロ(約42兆3,000億円)で、銀行間の資金取引に関する政府保証などを含めると、総額3兆7,000億ユーロ(約504兆円)に膨らんだ。今後の不良資産の増加に懸念を表明したほか、EU全域の金融機関の資産査定などを実施し、必要な公的資金を機動的に発動する方針を打ち出した。
EUの金融対策の総額は、資本注入、政府保証、不良資産の分離策、銀行への流動性供給支援の4本柱の合計で、その規模は各国GDP合計の約31%となった。これは、米国とほぼ同程度の比率となる。