[環境問題]

(1)プリウス、「軽」抜き首位(7/7) **

 自動車業界団体がまとめた6月の新車販売ランキングは、トヨタ自動車のハイブリッド車「プリウス」が前年同月比3.6倍の2万2,292台と、前月の3位から首位になった。ハイブリッド車の首位は初めてだ。

 同車は、5月18日に新型車を発売した。最安値モデルの価格を従来より約30万円安い205万円に設定したこともあり、足もとの受注台数は20万台を超えている。4月からのエコカー減税や環境意識の高まりが追い風となり、スズキの「ワゴンR」など売れ筋の軽自動車を抑えた。

 ホンダのハイブリッド車「インサイト」は8,782台と伸び、7位だった。ハイブリッド車の販売台数は、他の車種も合わせると合計3万4,152台だった。新車販売台数に占める比率は、軽を除いて14.0%だった。軽を含めても8.9%に達した。

[6月の新車販売ランキング]
(カッコ内は前年同月比)
1位 プリウス 22,292(3.6倍)
2位 ワゴンR 16,185(−4.9%)
3位 ム−ブ 14,935(1.8%)
7位 インサイト  8,782(今年2月発売)


[WTOとFTA]

(1)WTO交渉が再始動(7/10) **

 停止していた世界貿易機関(WTO)の多角的通商交渉(ドーハ・ラウンド)が再始動する。ラクイラ・サミットでは、ドーハ・ラウンドの2010年中の妥結が宣言された。これを受けて、主要先進国と新興国は、9月3日からインドのニューデリーで閣僚会合を開く方向で調整に入った。

 各国がドーハ・ラウンドに積極姿勢を見せるのは、関税引き上げなどの保護主義的な動きが広がり、自国の輸出が滞る恐れが出てきたためだ。WTOの調査では、3月以降に各国が導入した貿易措置のうち、3分の2以上の83件が保護主義的な措置だった。WTOのラミー事務局長は、「ドーハ・ラウンドが最終合意に達しない限り、保護主義の下地が残る」と警鐘を鳴らす。ドーハ・ラウンドが動き出す背景には、これまでの交渉でアメリカと対立してきたインドなどの姿勢の変化がある。

 WTOが描くシナリオは、各国の意見を調整し年内に貿易自由化のルールで大枠合意し、来年中に細部をつめ最終合意するという段取りだ。ただ。事態が筋書き通りに進むかは予断を許さない。