1月第3週(1/11〜1/17)(最高3つの*)

メインテーマ: 欧州、失業者数110万人超
その他のテーマ: 企業倒産、1万5,000件超
日銀、CP買い取り2兆円
欧州、0.5%利下げ

[企業部門]

(1)企業倒産、1万5,000件超(1/14) ***

 東京商工リサーチによる08年の全国企業倒産状況によると、負債総額1千万円以上の倒産は、前年比11%増の1万5,646件と5年ぶりの高水準となった。上場企業の倒産は、前年比5.5倍の33社で戦後最多であった。建設・不動産関連の企業を中心に、行き詰まる企業が増加した。

 負債総額は、前年比2.1倍の12兆2,900億円と6年ぶりの規模だった。負債額が最も大きかったのは、リーマン・ブラザーズの日本法人で3兆4千億円だ。関連3社を含めると約4兆7,000億円と全体の4割を占めたが、この4社を除いても32%増えた。

 倒産全体を原因別に見ると、最も多いのが販売不振で11.5%増の1万196件だ。運転資金の欠乏も33.7%増の994件で98年以降で最多となった。金融機関の貸し渋りで、倒産に追い込まれる企業が急増している。地域別では28%増えた北陸を始め、24%増の中国や22%増の北海道など6地域で2桁増となり、8年ぶりに9地域すべてで倒産が増えた。

 倒産した企業の正社員数は、前年比24%増の15万2,574人と5年ぶりに15万人を超えた。

 今年に入っても、既に2社の上場企業が倒産するなど、倒産の増加傾向は続いている。中小企業向け融資の緊急保証制度などの効果で、今年前半の倒産件数はやや落ち着くとみられるが、業績回復が見込めなければ年後半には再び増勢に転じると見られる。


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[金融情勢]

(1)日銀、CP買い取り2兆円(1/16) **

 日銀は、企業の資金繰りを支援する一環として、新たに始めるコマーシャルペーパー(CP)の買い取りについて、総額を2兆円規模とする方向で最終調整に入った。月内にもCPを保有する銀行などからの買い取りを始め、4月末まで続ける方針だ。金融危機の影響で企業の市場からの資金調達が難しくなっており、年度末に向け資金繰り不安の解消を狙う。21日、22日に開く金融政策決定会合で、正式に決定する。会合ではあわせて、09年度の実質経済成長率の見通しを現在の0.6%からマイナス1%台後半と、マイナス成長に下方修正する見通しだ。

 CPは、企業が運転資金などを調達するために、金融市場で発行する短期証券だ。金融機関や投資家が引き受けているが、引き受ける金融機関が減り、発行が難しくなっていた。日銀が金融機関から買い取れば、引き受け余地が広がり、企業の資金繰りを助ける効果が見込める。

 日銀は公開市場操作の一環として銀行を通じてCPを買い入れているが、金融機関に買い戻してもらう条件が付いている。新たに導入するCP買い取りは、日銀が償還まで保有する。買取額が2兆円ならば、14兆円規模のCP市場の14%分の資金調達を日銀が支援することになる。日本政策銀行が設ける2兆円の買い取り額とあわせると約30%で、発行環境が大きく改善する。ただ、CP発行企業が倒産すれば、日銀も損失を被るため、格付けの高い企業のものに限る方針だ。

 日銀は、さらに中小企業の売掛債権などを担保とする資産担保コマーシャルペーパー(ABCP)や、社債についても買い取りを検討中だ。


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[欧州経済]

(1)欧州、失業者増110万人超(1/12) ***

 2008年に、欧州連合(EU)加盟27カ国の失業者数が、110万人以上増えた模様だ。スペインを筆頭にフランス、イギリスなどで失業増が鮮明になっており、主要国で唯一減少基調であったドイツも09年は増加に転じる見通しだ。アメリカも08年に戦後最悪の雇用減を記録するなど、失業問題は世界的に深刻さを増しており、各国で追加の景気対策などを求める声が高まるのは必至だ。

 EU統計局によると、加盟国全体の失業者数は、08年11月時点で1,746万人と前年同月比113万人増えた。リーマン・ブラザーズが破綻した9月以降、欧州でも雇用不安が加速しており、10月に失業者は1,700万人を突破した。12月は一段と悪化し、08年通年の失業増は、120万人を超えたと見られる。

 スペインは、建設・不動産バブルが崩壊し、住宅投資への依存度が高い経済が打撃を受けている。失業者数は14年ぶりに300万台に乗せ、11月の失業率は13.4%と1年前の8%台から大きく上昇した。フランスの11月の失業者数は230万人を超えた。昨年半ば以降増加に転じている。 欧州は、日米に比べ労働者保護が手厚く、失業しても失業給付などで当面の生活には大きな支障が出ない例が多い。しかし、各国とも財政悪化により社会保障の給付抑制などに舵を切り始めていた。

 アメリカでは、昨年非農業部門の雇用者数が258万9千人減と、大戦終了時の1945年に次ぐ大幅な減少となった。民間の雇用吸収力が衰える中で、オバマ次期政権の景気対策に期待感が台頭している。欧州でも雇用対策が政策上の焦点になってくると見られ、政府頼みの様相が鮮明になってきた。


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(2)欧州、0.5%利下げ(1/16) ***

 欧州中央銀行(ECB)は、ユーロ圏16カ国に適用する政策金利を0.5%下げ過去最低の年2%にすることを決めた。トリシェ総裁は、「経済の先行きは弱まっている」としたうえで、「インフレ圧力が引き続き弱まっている」と説明し、一段の利下げに踏み切る可能性をにじませた。

 ECBは、昨年12月上旬に過去最大幅となる0.75%の利下げを決めたばかりだ。しかし、12月の消費者物価上昇率が年1.6%と政策目標の2%未満を下回り、域内最大の経済力を持つドイツが、08年10〜12月期に大幅なマイナス成長を記録した公算が大きくなったため、追加緩和に踏み切った。利下げは4ヶ月連続で、政策金利はこれにより欧州景気が落ち込んだ03〜05年の通貨統合後の最低水準に並ぶ。既にゼロ金利政策に踏み込んだスイスなどに続き、ECBも歴史的な低水準で欧州景気を支える姿勢を鮮明にする。


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