2月第4週(2/22〜2/28)(最高3つの*)

メインテーマ: 生産・雇用悪化止まらず
その他のテーマ: 日銀、相次ぎ危機対策実行
FRB議長「金融安定へ強固な行動を」、米政府に要請
アメリカGDP,10〜12月年6.2%減

[生産・雇用]

(1)生産・雇用悪化止まらず(2/27) ***

 政府が発表した1月の主要経済指標によると、鉱工業生産指数は前月比10.0%低下し、過去最大の落ち込み幅を記録した。有効求人倍率は0.67倍で、5年4ヶ月ぶりの低水準になった。企業の在庫調整が進む兆しも見られるが、実体経済の低迷は続きそうだ。デフレ再燃の懸念も強まってきた。

 鉱工業生産指数は、1953年以降で最大の落ち込み幅を記録し、84年4月以来24年9ヶ月ぶりの低水準になった。ただ、在庫水準は2.0%低下し、5ヶ月ぶりに改善し、在庫調整が徐々に進んでいることもわかった。そして、前年同月比では30.8%低下し、過去最大の落ち込み幅となった。

 経済産業省は、生産の基調判断を3ヶ月連続で「急速に低下している」とした。

 一方、1月の有効求人倍率は0.67倍となり、前月を0.06ポイント下回った。この低下幅は、92年1月以来の大きさだ。8ヶ月連続で低下した。厚生労働省は、「雇用は依然として厳しい状況にある」との基調判断を据え置いた。

 雇用悪化は地域的な広がりを見せている。愛知県の有効求人倍率は、1倍を割った。東京とは1.0倍ちょうどで、1倍割れは時間の問題だ。


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[金融情勢]

(1)日銀、相次ぎ危機対策実行(2/24)  ***

 日銀が、金融危機対応の追加策を相次ぎ実行している。23日にも社債などを担保として、金融機関に期間3ヶ月の低利資金を供給する企業金融支援特別オペ(公開市場操作)を実施し、銀行保有株の買い取りも約4年半ぶりに再開した。景気悪化が続く中で、市場や金融システムの安定に万全を期す構えだ。 

 企業金融支援特別オペは、社債など担保の範囲内で無制限に3ヶ月ものの資金を翌日物と同じ0.1%の低利で貸し出す制度で、9月まで延長された。回数も、月2回から週1回に増やした。金融機関がコマーシャルペーパー(CP)や社債などを引き受けやすくするとともに、3ヶ月という長めの期間の金利を低めに抑える効果もある。23日の供給額は5771億円で、1兆円を超えていた前回までと比べるとかなり減った。ただ、急きょ決まったため準備が間に合わなかった金融機関もあると見られ、需要は確認できたと日銀は見ている。

 23日には、初めて変動利付国債の買い取りも実施した。1,000億円の購入予定額に対し、応募は4,313億円と4.3倍に達した。従来の長期国債買い取りとほぼ同程度の倍率だった。

 また、同日から銀行が保有する株式の買い取りを再開した。10年4月までに1兆円を上限に買い取る方針だ。銀行は保有株式の値下がりで自己資本が目減りするリスクが高まっており、日銀が買い取ることで、貸し出しなどの制約がかかるのを避ける狙いだ。

 また、銀行からの社債の買い取りも1兆円を上限として、9月末まで行う方針だ。


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[アメリカ経済]

(1)FRB議長「金融安定へ強固な行動を」、米政府に要請(2/25) ***

 アメリカ連邦準備制度理事会(FRB)のバーナンキ議長は、上院での議会証言で「財政による景気刺激による、金融安定化に向けた政府の強固な行動で、補完することが不可欠だ」と語った。金融安定化プランの策定が遅れる一方で、大手銀行の経営不安が広がっている現状に懸念を示した発言だ。

 同議長は、来年に景気回復する可能性について、「政府、議会、FRBの行動で、金融安定化にそれなりに成功した場合に限られる」と発言した。金融安定が達成されなければ、景気後退が長期化する可能性があると事実上警告した。金融安定化が進み順調に景気が底入れする場合には、2010年から景気が回復する可能性も示唆した。ただ、全面的な回復には2〜3年以上かかるとした。

 25日から始まる大手行の健全性審査については、「目的は、銀行が貸し出しに回せるだけの十分な資本を、普通株を含め十分確保することだ」とした。貸し渋りなどの信用収縮の解消に向け、銀行の資本を増強するのが重要との認識を示した。

 景気の現状については、世界的景気失速を踏まえ、下ぶれリスクの方が大きいと言明した。今年前半は、かなりの経済縮小が見込まれるとした。07年12月に始まった今回の景気後退が、これまでの最長の16ヶ月を上回るとの認識を示した。


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(2)アメリカGDP,10〜12月年6.2%減(2/28) ***

 アメリカ商務省によると、08年10〜12月期の実質GDP改定値は、年率換算で前期比6.2%減った。速報値より2.4%の下方修正で、ほぼ27年ぶりの落ち込みとなった。

 GDPの7割を占める個人消費支出は4.3%減だ。民間設備投資も22.1%減で、2ポイントの大幅下方修正となった。輸出も23.6%減で、3.9ポイントの下方改定となった。需要を下支えする政府支出も1.6%増にとどまり、0.3%の下方修正となった。GDPデフレーターは、0.5%のプラスで、マイナス0.3%であった速報値から上方修正された。


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