5月第4週(5/18〜5/24)(最高3つの*)

メインテーマ: 「08年度設備投資3.7%増に鈍化」
その他のテーマ: 「景気足踏み、物価に懸念」

[設備投資]

(1)08年度設備投資3.7%増に鈍化(5/25) ***

 日本経済新聞社がまとめた08年度の設備投資動向調査で、全産業(1523社、連結ベース)の当初計画は、07年度実績比で3.7%増となった。6年連続の増加であるが、伸び率は5年ぶりの低水準であった。製造業は6.4%増と堅調であるが、不動産の大幅減で非製造業が0.4%減と5年ぶりのマイナスとなるのが響く。円高や資源高、アメリカ景気の変調などで企業業績の悪化が予想される中、国内景気をけん引してきた設備投資の減速感が強まってきた。

 製造業では、基幹業種の自動車が6.8%増、電機が2.5%増、鉄鋼が10.2%増と、新興国の需要拡大に対応して07年度を上回る伸びを計画している。一方、原燃料の高騰が響く繊維、紙、パルプなどは二ケタ増だった前年度実績から一転、マイナスとなる。

 全体的に設備投資の鈍化傾向が強まる中で、環境やITへの投資は2割増と、重点分野に資金を優先配分しようとしている。

 内閣府による08年1〜3月期GDP速報値によると、設備投資は実質で前期比0.9%のマイナスに転じた。日経調査は大企業が中心で、慎重姿勢が目立つ中小企業を含めると、設備投資の減速傾向はさらに強まると見られる。また、世界経済の動向しだいで見直しが広がる可能性がある。


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[景気動向]

(1)景気足踏み、物価に懸念(5/31) ***

 政府による4月の主要経済指標によると、完全失業率(15歳以上の働く意思のある人のうち、職についていない人の比率)は昨年9月以来の4.0%まで上昇し、鉱工業生産指数は前月比0.3%低下した。全国消費者物価指数は、生鮮食品を除くベースで前年同月比0.9%上昇し、ガソリンの一時的な値下がりにもかかわらず高い上昇率となった。景気減速と物価上昇の並存という微妙な局面が続きそうだ。

 厚生労働省が発表した4月の有効求人倍率も0.93倍と、3ヶ月連続で低下した。同省は、雇用情勢について注意を要する状態として、7ヶ月ぶりに下方修正した。

 完全失業者数は、前年同月比7万人増の275万人で、2年5ヶ月ぶりの増加に転じた。就業者数は、6439万人で前年同月比15万人減で、3ヶ月連続で減少した。


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