2月第3週(2/10〜2/16)(最高3つの*)

メインテーマ: [改正建築基準法に高まる不満]
その他のテーマ: 10〜12月期、実質GDP3.7%成長

[景気動向]

(1)改正建築基準法に高まる不満(2/11)***

 改正建築基準法が、流通・外食各社の出店戦略に深刻な影響を与え始めた。従来1ヶ月程度で済んだ建築確認申請の期間が、改正法施行後は数ヶ月に延びたためだ。審査厳格化の影響で、各社とも来年度以降に延ばさざるを得ない出店が増えた。

 昨年11月の飲食店・宿泊業用の着工面積は、前年同月比51.3%減で、3ヶ月連続で前年割れしている。多数店舗展開するスーパー、ドラッグストア,外食店では、出店が売り上げを大きく左右する。開店前の賃料負担や労務費など建設コストも膨らむ。状況が改善されなければ、業績への影響も出てきそうだ。

 景気減速で個人消費の先行きが不透明なだけに、なぜ官が足を引っ張るのかとの不満が高まっている。


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(2)10〜12月期、実質GDP3.7%成長(2/14)***

 内閣府によると、07年10〜12月期のGDP速報値は、実質で前期比0.9%増、年率換算で3.7%増と2四半期連続でプラス成長となった。設備投資や輸出が伸び、内外需がともに成長を押し上げた。ただ、個人消費の伸びは弱く、住宅投資は大幅な減少が続いた。

 総合的な物価の動きを示すGDPデフレーターは、前年同期比1.3%のマイナスで、前期と比べ0.7%拡大した。デフレ脱却からの足踏みが続いている。

 07年の実質成長率は2.1%(名目は1.3%)と安定成長が続いた。07年度の政府見通しの実質1.3%は、1〜3月期が前期比マイナス1.6%でも達成できる。

 成長への貢献が最も大きかったのは、前期比2.9%増えた設備投資で、成長率を0.5%分押し上げた。企業がトラックなどの自動車や、ソフトウェア、機械の購入を増やした。個人消費は力強さを欠き、住宅投資は前期比9.1%減と大幅に落ち込み、成長率を0.3%押し下げた。昨年6月の改正建築基準法が響いた。輸出は、2.9%増と、サブプライムローン問題の輸出環境の懸念にもかかわらず。アジア向けを中心に堅調だった。

[07年の10〜12月期のGDP増減率の内訳](前期比%)
実質 名目
GDP 0.9 0.3
(年率換算) 3.7 1.2
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
個人消費 0.2 0.4
住宅投資 −9.1 −9.3
設備投資 2.9 2.7
政府消費 0.8 0.3
公共投資 −0.7 −0.4
輸出 2.9 1.7
輸入 0.5 3.5


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