4月第5週(4/27〜5/3)(最高3つの*)

メインテーマ: 「アメリカ景気低迷、長期化懸念」
その他のテーマ: 「CO2排出量取引、豪、EU主導の協定参加」

[環境問題]

(1)CO2排出量取引、豪、EU主導の協定参加(4/28)**

 温暖化ガスのグローバルな排出量取引市場創設を目指す国際炭素取引協定(ICAP)に、オーストラリアが参加したことが明らかとなった。同国は、国民一人当たりの二酸化炭素(CO2)排出量でアメリカに次ぐ世界二位である。これにより、欧州連合(EU)が主導するICPAは、25カ国・地域に広がり、排出量取引の国際ネットワークとして日米をさらにリードしそうだ。

 EUは、世界の排出量取引の約70%を握っており、協定国や地域への支援でEU型の排出量取引制度を普及させる考えだ。EUは、排出量取引で企業に温暖化ガスの排出枠を設定し、過不足分を取引する「キャップ・アンド・トレード」方式を導入している。

 オーストラリアは、昨年12月に新政権発足と共に、京都議定書を批准し、それまでの方針を転換して、地球温暖化対策に積極姿勢を見せている。ICPA参加で排出量取引制度を導入して、効果的にCO2の排出削減を進めていく計画だ。

 日本は、経済界からの反対により、排出量取引制度の導入が遅れており、国際的な市場整備の協議にはオブザーバー参加しか認められていない。


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[アメリカ経済]

(1)アメリカ景気低迷、長期化懸念(5/1)***

 アメリカ経済の低迷が長引く恐れが出てきた。30日発表の1〜3月のGDPの実質成長率は、前期と同じく0.6%にとどまった。在庫投資の拡大によりかろうじてプラス成長を確保したが、景気低迷が続いていることを裏付けた。特に個人消費の伸び悩みが鮮明となり、今後も原油や食品の値上がりなど消費の浮上を阻む要因が待ち構える。このため、財政・金融政策のてこ入れに期待せざるを得ない状況だ。

 ゼロ%台の低い成長率が二・四半期続くのは、ほぼ17年振りである。サブプライムローン問題の影響が広がり、アメリカは近年まれな景気減速を経験している。

 1〜3月の0.6%成長に対し、個人消費がどの程度押し上げたかを示す寄与度は、0.68%にとどまった。これは、01年4〜6月以来の低水準である。年明けからの労働市場の冷え込みが、将来への不安を増幅する恐れも膨らむ。  住宅投資は、底を打つどころか、深刻さを増した。減少幅26.7%は、前期よりも1.5%拡大した。三・四半期連続の20%を超す大幅な減少となった。

 当面の頼みの綱は、緊急にまとめられた減税と、FRBによる連続利下げによる需要の下支えに限られる。

[1〜3月期のアメリカGDP速報値(前期比増減率)]
国内総生産0.6%
個人消費支出 1.0%
民間設備投資 −2.5%
民間住宅投資 −26.7%
民間在庫投資 0.0%
輸出 5.5%
輸入 2.5%
政府支出 2.0%
GDPデフレーター 2.6%


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