7月第3週(7/15〜7/21) メイントピック:「4〜6月中国のGDP11.9%増、景気過熱に懸念強まる」(最高3つの*)
(1)WTO交渉、議長案に修正要求へ(7/19) **
世界貿易機関(WTO)の新多角的貿易交渉(ドーハ・ラウンド)で、農業交渉議長
鉱工業品交渉議長が17日に新たに示した議長案に対し、政府は現時点で同意できるものではないとのコメントを出し、修正を求める姿勢を鮮明にした。
日本にとり一番の不満は、農業分野で例外的に高い関税率が認められる「重要品目」が、関税のかかる品目数の4%か6%と小規模にとどまったことだ。これを日本に当てまめると、重要品目は40品目か60品目にとどまる。米、砂糖、乳製品など200品目以上の高い関税の品目を抱える日本にとり、大変厳しい内容だ。
(1)4〜6月中国のGDP11.9%増、景気過熱に懸念強まる(7/20) ***
4〜6月のGDPが、前年同期比11.9%増の高い伸びとなったことで、中国の景気過熱に対する懸念が強まっている。今後、中国人民銀行(中央銀行)が、利上げや預金準備率の引き上げといった金融引き締め策をとるとの見方が広がっている。
中国は、今年毎月のように金融引き締め政策を採ってきたが、6月の都市部の固定資産投資の伸び率が前年同月比28.5%に達し、昨年後半に落ち着きを見せていた固定資産投資の伸びが加速し始めている。また、昨年は安定していた消費者物価指数は、6月には前年同月比4.4%に達し、今年の政府目標(3.0%以内)や期間1年物の法定預金金利(3.06%)を大きく上回る水準で、利上げは不可避との観測が広がっている。ただ、預金金利を大幅に引き上げ、銀行預金が増えた場合には、貸し出しが増加して固定資産投資をさらに押し上げる結果になりかねない。さらに、海外からの投機資金の流入が加速する可能性もあり、上げ幅は従来どおりの小刻みなものになるという見方が強い。