2月第4週(2/18〜2/24)「日銀0.25%利上げ、消費堅調と判断」(最高3つの*)


[景気動向]

(1)政府、景気判断据え置き、消費の弱さに懸念(2/20) ***

 大田経済財政相は、2月の月例経済報告を関係閣僚会議に提出した。「景気は、消費の弱さが見られるものの、回復している」との判断を3ヶ月連続で据え置いた。個人消費の伸び悩みについて、政府が改めて懸念を示した格好だ。

 基調判断では、企業部門が設備投資の増加や収益改善により堅調に推移していることから、景気回復が続いているとの基本的な認識を維持した。ただ、個人消費については、所得の伸び悩みを背景に、依然として足踏み状態が続いており、「おおむね横ばいになっている」との判断を3ヶ月据え置いた。この日の閣僚会議でも、景気回復の家計への波及が遅れていることが改めて取り上げられた。


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[金融政策]

(1)日銀0.25%利上げ、消費堅調と判断(2/21) ***

 日本銀行の福井総裁は、21日の金融政策決定会合で短期金利の誘導目標である無担保コール翌日物金利を現行の年0.25%から年0.5%へと引上げる提案を行った。政府は議決延期請求を行使しない方針で、賛成多数で決定される。利上げは昨年7月以来7ヶ月ぶりで、政策金利が年0.5%となるのは、98年9月以来8年半振りである。

 金融政策を決定する9人の政策委員は、追加利上げを行う上で懸念された個人消費や物価の動向も中長期的には改善の方向に向かうと判断した模様だ。

 日銀は、1月に利上げを見送ったが、それ以降に発表された経済指標も、利上げ判断を後押しするには力不足との見方が広まっていた。しかし、昨年10〜12月期の国内総生産統計で、個人消費が1.1%増となったことから、消費は増加基調との判断に自信を深めたものと見られる。そして、懸念されたアメリカ経済が軟着陸を果たすとの観測や、株価が上昇基調であることも考慮し、利上げを判断したと見られる。

 しかし、昨年12月の全国消費者物価指数が前年同月比0.1%増に留まり(11月は0.2%)、原油価格下落の影響が出る2〜3月にはマイナスに転じる可能性が指摘されている。この状況の下で利上げに踏み切るのは、利上げに慎重な政府・与党との間で再び摩擦が生じることも予想される。


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(2)大手4行、定期金利引上げ(2/24) **

 三菱東京UFJ銀行、みずほ銀行、三井住友銀行、りそな銀行の大手4行は、定期金利を週明け26日から引上げると発表した。日銀の追加利上げを受けた措置で、引き上げ幅は預け入れの金額に応じ、年0.02%〜0.1%だ。大手行が定期金利を引上げるのは、昨年7月以来である。

 大手行は、普通預金金利も、26日から年0.2%に引上げる。


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[株式市場]

(1)買収防衛策200社に迫る(2/23) ***

 敵対的買収への防衛策(買収者に新株予約権の発行などで対抗する)を導入する上場企業が増えている。07年に新たに18社が導入を決定し、累計の導入社数は200社に迫る。世界的な金余りを背景に、買収ファンドなどによるM&A(合併・買収)が活発になっている。また、三角合併解禁(外資が日本の子会社を通じ日本企業を合併すること)が、5月に控えていることも背景である。株主総会が集中する6月に向け、導入に踏み切る企業が増えそうだ。

 日本経済新聞社の集計では、導入した上場企業は2月22日の時点では195社だ。よみうりランドのように、不動産など優良資産を多く抱える企業の導入も目立つ。米系投資ファンドのスティ−ル・パートナーズが明星食品に続き、サッポロホールディングスへの買収提案を公表したことも企業に対応を迫る要因となっている。

 買収防衛策が本格的に始まったのは、05年のライブドアによるニッポン放送株の大量取得などをきっかけにし、企業の間で買収に対する緊張が強まった。


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