12月第5週(12/23〜12/29)(最高3つの*)

メインテーマ: 「06年の名目GDP,日本、世界の10%を割る」
その他のテーマ: 「家計貯蓄率、最低の3.2%に」
「)サブプライム続く動揺」

[GDP]

(1)06年の名目GDP,日本、世界の10%を割る(12/27)  ***

 06年の名目国内総生産(GDP)に占める日本の割合が9.1%となり、24年ぶりに10%の大台を割り込んだことが判明した。ピーク時の94年と比べ、半減した。国民一人当たりの名目GDPでも順位を下げた。

 円安やデフレ脱却の出遅れで、名目成長率が伸び悩んだことが背景にある。中国など新興国の猛追を受ける中で、改革が停滞すれば日本経済の存在が一段とかすむのは必至だ。

 内閣府によると、06年の日本の名目GDPは、4兆3,755億ドルであった。前年比で4%減と、2年連続のマ イナスとなった。06年平均の相場は1ドル=116円と、02年以来の円安水準で、ドル換算で名目GDPは目 減りした。また、名目成長率の伸び悩みも、要因のひとつである。99年以来、成長率で名目が実質を下回 る状態を解消できず、国際比較で名目GDPが見劣りする結果を招いた。

 世界銀行によると、世界経済は名目ベースで03〜04年は12%超、05〜06年は8%近くの高い成長を 遂げた。新興国の成長で世界経済のパイが膨らんだ結果、米欧諸国の割合も低下しているとはいえ、日 本の低下ペースの速さが目立つ。中国の世界全体にsめる割合は5.5%となり、日本との差を縮めつつ ある。

 国民一人当たりの名目GDPでも、日本の地位低下は鮮明だ。06年は、経済協力開発機構(OECD)加盟30カ国の中で、18位と、前年の15位から一段と後退した。日本は、93年に2位にまでのぼりつめたが、 その後の名目成長率の長期低迷で、OECDの中の下位グループに転落した。

[06年の一人当たり名目GDPの国際比較](単位:ドル)
1位 ルクセンブルク 89,840
2位 ノルウェー 71,857
3位 アイスランド 53,446
4位 アイルランド 51,421
5位 スイス 51,306
7位 アメリカ 43,801
11位 英国 39,573
16位 フランス 35,572
17位 ドイツ 35,368
18位 日本 34,252
19位 イタリア 31,444


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[家計部門]

(1)家計貯蓄率、最低の3.2%に(12/27)  ***

 内閣府によると、家計の貯蓄率が3.2%と調査が始まった96年度以降で最低になったと発表した。  貯蓄率は、家計の収入から税金や社会保険料を引いた「可処分所得」のうち、消費に使わずに残った割合である。家計貯蓄率は、97年度の11.4%をピークに低下傾向だ。背景にあるのは人口の高齢化で、高齢者世帯が現役時代に積み立てた貯蓄を取り崩して消費に回している。

 国民所得に対する雇用者報酬の比率である労働分配率は70.5で、05年度に比べ0.3%低下した。 直近のピークの98年度の74.3%に比べ、低下傾向が続いている。


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[世界の金融市場]

(1)家計貯蓄率、最低の3.2%に(12/27)  ***

 サブプライムローン問題が世界経済に影を落としている。金融不安を解消するため、米欧の中央銀行が協 調して短期市場に資金供給したほか、金融機関は新興国の政府系ファンドから出資を受けtれるなど、対策を打っているが、不安は解消していない。米欧日の金融機関の損失は10兆円規模に達した模様で、実体経済へ影響も出始めた。

 資本が傷んだ金融機関は産油国などの政府系ファンドの支援を仰ぎ始めた。アブダビ投資庁のシティへの出資、シンガポール政府投資公社のUBSへの出資など、出資総額は約3兆円に達すると見られる。

 アメリカ連邦準備理事会(FRB)は、フェデラルファンド(FF)金利を9月以降1%引き下げた。しかし、資金供給や利下げは、問題の抜本的解決につながらないとの見方が多い。

 サブプライムローン問題は、わが国の金融機関にも影響を与える。欧米の主要金融機関に比べると限定的だが、サブプライム関連商品の価格が下がれば、損失が拡大する可能性がある。


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