9月第4週(9/17〜9/23)メインテーマ:「基準地価、3大都市圏16年ぶり上昇」(最高3つの*)


[地価の動向]

(1)基準地価、3大都市圏16年ぶり上昇(9/19) ***

 国土交通省は、06年の基準地価を発表した。東京、大阪、名古屋の3大都市圏の平均で、住宅地が前年比0.4%上昇、商業地は同3.6%上昇し、ともにバブル期の90年以来16年ぶりに上昇に転じた。東京など大都市の中心部で先行した地価の回復が郊外にも広がり、都市圏全体の地価を押し上げた。一方、全国平均では、住宅地、商業地とも15年連続で下落したが、下落率は3年連続で前年より縮小した。

 3大都市圏で上昇率が30%を超えた地点は、商業地で8地点、住宅地で1地点である。東京の千代田、中央、港の都心3区の平均上昇率は、住宅地が前年比17.8%、商業地は14.2%と上昇率が高く、大きく伸びた。 商業地の上昇率全国ランキングは、再開発が進む名古屋駅周辺が上位3地点を独占し、愛・地球博後も名古屋周辺の経済が顕著なことを示した。

 東京23区は、住宅地、商業地の調査地点667か所すべてが上昇した。前年の上昇地点は3分の1程度で、地価回復が広がっていることを裏付けた。


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[企業の動向]

(1)企業買収価値、小泉政権の5年でトヨタ12兆円増(9/23) ***

 小泉政権下で最も価値を高めたのはどの企業か。日本経済新聞社が東証一部上場企業を対象に、3月末時点での企業買収価値(M&Aの現場では株式時価総額と有利子負債の合計額が一般的な企業買収価値とされている))を5年前と比較したところ、増加金額が最も大きかったのはトヨタ自動車、減少額が最も大きかったのはNTTドコモであった。減少組みには電機大手が並び、国際競争力が企業価値を決める構図が鮮明になった。

 小泉政権下で規制緩和が進み、規制によって守られてきた通信分野などでは、価値を減らす企業が目立つ。また、デジタル革命が進行した電機・通信分野では、先を見据えてきた企業と出遅れた企業の優劣が一段と明確になった。

 企業買収価値が一位のトヨタは、33兆6千億円と、5年前に比べ12兆円増えた。高性能・低燃費などを武器に、最大市場の米国をはじめ世界的に販売台数を伸ばした。二位は、ゴーン改革で復活した日産自動車、四位は、ホンダで、日本の自動車メーカーが一段と力をつけたことを印象づけた。三位のヤフーは、ネット広告市場の拡大期待を反映して、時価総額が3兆7千億円増加した。七位のソフトバンクは、インターネットと通信事業の相乗効果への期待から、企業価値が2兆5千億円増加した。

 NTTドコモの企業価値は、23兆円から9兆円弱に減少した。auのシェア上昇などが影響した。減少額三位はソニーで、その他の総合電機も減少上位に入った。アジア勢の追い上げなどで、電気産業は体力を弱めた5年間であった。電機でも、プラズマテレビなどで復活した松下電器産業、デジタル製品に強みがあるキャノンは起業価値を強めた。 

[企業買収価値増加額上位3社](単位億円)
増加額 企業買収価値
一位 トヨタ自動車 122,898 336,097
二位 日産自動車 50,365 110,113
三位 ヤフー 37,182 43,404

[企業買収価値減少額上位3社](単位億円)
減少額 企業買収価値
一位 NTTドコモ 143,843 89,373
二位 NTT 59,941 131,402
三位 ソニー 28,042 65,601


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[世界経済]

(1)米経済減速、ユーロ高、G7具体策示せず(9/17) **

 シンガポールで開かれた先進7ヶ国財務相・中央銀行総裁会議(G7)は、アメリカ経済の減速への処方箋は示されず、欧州は是正を求めたユーロ高対策も打ち出されなかった。日本も政権交代期に当たり、世界に向け今後の政策スタンスを明確に出来なかった。

 G7は、共同声明で世界経済へのリスクに一体となって取り組む姿勢を演出して見せたが、具体的な課題への切り込み不足もあらわになった。

[日米欧の経済指標]
日本 アメリカ ユーロ圏
実質GDP成長率 1.0% 2.9% 3.6%
(4-6月期年率換算)
失業率 4.1% 4.7% 7.8%
消費者物価指数 0.2% 4.1% 2.5%
(前年同月比)
政策金利・誘導目標金利 0.25% 5.25% 3.0%


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[アメリカ経済]

(1)FRB、金利据え置き(9/22) ***

 アメリカ連邦準備制度理事会(FRB)は、20日の連邦公開市場委員会(FOMC)で前回8月の会合に続いて、利上げを見送った。これは、住宅市場の鈍化によるアメリカ景気の減速感が強まっているからである。市場では、原油高などを背景としたインフレを予防するための利上げの段階は、一段落したとの見方が強い。


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