9月第2週(9/3〜9/9)メインテーマ:「中国の環境汚染、損失7.5兆円」(最高3つの*)
(1)世界の人口、65億4,030万人(9/7)**
国連人口基金は、06年版の世界人口白書で、今年7月時点で世界の人口が65億 4,030万人を突破したとする推計値を発表した。昨年より7,560万人増えて、過去最高となった。日本は、10万人増の1億2,820万人で、昨年と同じ10位だった。そして、2050年には世界人口が90億7,590万人に達すると推計している。
仕事や結婚による移動、難民などを含む国際人口移動者は、05年で1億9,100万人であった。国外居住者から本国への送金は2,320億ドルで、うち1,670億ドルは途上国に送られている。一方、人身売買や暴力などの危険も高まっており、毎年60万人から80万人が国境を越えて売買され、うち80%が少女を含む女性と推計している。また、医療体制が弱い国ほど医療従事者の頭脳流失が深刻だと指摘している。
(1)中国の環境汚染、損失7.5兆円(9/8) **
中国は、04年の同国の環境汚染などによる経済的損失が計5,118億元(約7兆5,000億円)にのぼるとする研究報告書を公表した。損失は、同年の中国の国内総生産(GDP)の約3.05%に相当し、深刻な環境汚染の実態が裏付けられた。
報告書によると、水質汚染による損失が2,862.8億元と全体の55.9%を占めたほか、大気汚染が2,198億元、固体の廃棄物などが57.4億元の損失だったという。
中国では、中央政府は環境保護を重視する政策を打ち出しているが、経済成長を求める地方政府による開発が依然続いている。報告書の公表は、環境汚染のコストを示し、地方政府にブレーキをかける狙いがあると見られる。
(1)アメリカ景気変調、利上げ見送り公算大(9/7) ***
アメリカ経済の変調が目立ってきた。住宅市況の減速が全米に波及し、資産価格の上昇を背景とした個人消費の伸びが鈍化し、雇用情勢も不安定となっている。原油高によるインフレ懸念は根強いが、アメリカ連邦準備制度理事会(FRB)が20日に開く連邦公開市場委員会(FOMC)では、景気への配慮を無視できない状況となっており、利上げ見送りの公算が大きくなっている。
FRBは、住宅の販売・建設活動が国中で弱まったと指摘している。全米平均の住宅価格は、4〜6月期に年率換算で前期比4.68%上昇と、99年10〜12月期以来6年半ぶりの低い伸びであった。そして、これまで価格上昇が激しかった大都市圏での急減速が目につく。
ここ数年、持ち家の資産価格上昇分だけ住宅ローンを借り増して消費に回す「キャッシュアウト」という手法がもてはやされてきたが、全米規模での住宅市況の減速の広がりは、このような錬金術が使えなくなりつつあることを意味する。国際通貨連盟(IMF)は、こうしたアメリカ個人消費の危うさを指摘し、アメリカ住宅市況の鈍化はアメリカ経済にとり大きなリスクだと警告した。
8月のアメリカ雇用統計によると、非農業部門の就業者数は前月より12万8,000人増となり、雇用回復の目安とされる15万人を5ヶ月連続で下回った。FRBの景況報告も、労働市場は全米で横ばいまたは緩やかな拡大に留まっていると指摘したFRBは、8月の前回FOMCで、約2年ぶりに利上げを見送った。その後もインフレ懸念が高まっていないことを示したFRB景況報告を受け、20日のFOMCでは、再び利上げ見送りを軸に議論が進むと見られる。