6月第1週(5/28〜6/3)「雇用改善地方に拡大、失業率4月4.1%」(最高3つの*)


[設備投資]

(1)設備投資3年連続2桁増(5/29) **

 民間設備投資が、06年度も拡大する見通しである。この日本経済新聞社の調査は、5月16日までに解答があった企業のうち、連結子会社を除いた1,498社の計画をまとめた。それによると、全産業の当初計画は05年度実績を14.5%上回り、バブル期以来の3年連続2桁増となる。製造業は、デジタル景気を背景に電機や素材が主導し17.0%増え、非製造業は10.3%増と15年ぶりに2ケタ伸びる。株安や原油高などの懸念材料はあるが、投資が景気拡大をけん引する構図は続きそうである。

 全産業の伸び率は、プラスに転じた03年度以降拡大し、今回は89年度実績の15.4%に次ぐ水準である。


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[金融市場]

(1)日銀また即日オペ、薄まる資金余剰感(5/30) ***

 日本銀行は、29日、短期金利の上昇を抑えるため、金融機関が日々の資金を貸借する短期金融市場で、買いオペを行い、過去最大規模の1兆5,000億円の資金供給を行なった。日銀がゼロ%に誘導しようとする「無担保コール翌日物金利」は、一時0.11%にまで上昇したが、買いオペにより0.071%に低下した。これにより、日銀がゼロ金利の解除を行なう時期が、やや後ろにずれ込む可能性が出てきた。


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[直接投資]

(1)対外直接投資5兆円超す(5/31) ***

 日本企業による対外直接投資が、05年度は前年度比32%増の5兆800億円となり、15年ぶりに5兆円を超えた。そのうち、現地での再投資のために海外法人が内部に積み立てた利益の額が同2倍の1兆6,000億円に上り、全体の投資額を大きく引上げた。親会社からの資金に頼らず現地での利益を再投資に回す構図で、日本企業のグローバル化は海外拠点の「自己完結型」での拡大という新局面に入った。

 日本の対外直接投資が増え始めたのは、円高や欧米との貿易摩擦が増え始めた80年代後半からである。89年度には過去最高の7兆3,500億円となった。ただ、バブル期の金余りを背景にした無理な投資も多く、93年度には1兆6,000億円に激減していた。


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[雇用情勢]

(1)雇用改善地方に拡大、失業率4月4.1%(5/31) ***

 雇用改善の動きが地方に広がっている。総務省によると、4月の完全失業率は4.1%と前月比横ばいであるが、1〜3月の都道府県別の完全失業率は20都道府県で4%未満となり、回復傾向がはっきりしてきた。厚生労働省の1〜3月期の有効求人倍率も、1倍以上になった都道府県が21と前年の18を上回った。ただ、地域ごとの回復の状況には差があるのが実情である。

 完全失業率の低い都道府県の特徴は、製造業の集積であり、愛知、静岡、群馬など製造業の生産拠点が集まる地域が多い。2%台と低かったのは福井(2.3%)と滋賀2.9%)である。いずれもハイテク産業の生産が活発で、好調な地元製造業が雇用を増やした。

 一方、失業率が高かったのは、沖縄(7.6%)、青森(7.3%)、秋田(6.3%)、などである。大消費地から遠く、製造業の工場進出が少ない地域は苦戦している。

 有効求人倍率は、愛知の1.72倍が最高である。トヨタなどの製造業を中心に人で不足が続いている。厚生労働省は、北海道、東北、九州などの有効吸引倍率が低い道県などに、特別雇用対策などを行い、てこ入れに乗り出している。


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[財政]

(1)国の税収、49兆円突破(6/1) ***

 05年度の国の税収(一般会計分)が、49兆円を超える見通しとなったことが分かった。2000年度(50兆7,125億円)以来、5年ぶりの高水準となる。景気回復が力強さを増し、法人税や所得税などが伸びたためで、政府・与党の財政再建シナリオの策定作業にも影響を及ぼしそうである。


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