5月第2週(5/7〜5/13) 「住宅着工120万戸台が定着」(最高3つの*)
(1)住宅着工120万戸台が定着(5/8) ***
住宅投資が好調である。1〜3月の新設住宅着工戸数は、平均で年率127万戸と前期比1.5%増であった。2005年度の戸数も124.8万戸と97年度以来の高水準となった。金利先高感を背景に、今後も個人のマイホームの購入は増えそうであり、住宅投資は当面景気回復を後押ししそうである。
住宅着工は、年率換算で昨年後半から120万台でほぼ定着している。不動産会社が、低金利に支えられ貸家や分譲マンションの建設を拡大している。賃貸マンションなどの「貸家」は、05年度に51万戸と96年度以来の水準で、前年度比10.8%も増えた。マンションなど分譲住宅も、37万戸と94年度以来の水準となった。
(1)円高加速、米利上げ休止見込む(5/9) ***
8日の外国為替市場で、一時1ドル=110円台まで円高が進んだ背景には、アメリカの利上げが打ち止めになるとの見方が広がり、ドルから円に投資先を切り替える動きがある。円高傾向がこのまま進めば、ゼロ利金利政策解除の時期にも影響を与えそうである。
中国の人民元の改革を求めている政府・日銀は、相場の固定と受け止められかねない大規模な円売り介入は行ないにくく、円相場を巡る対応に苦慮しそうである。
(2)円高109円台、警戒ライン突破(5/12) ***
12日の東京市場が急激な円高・株安で、大荒れの展開となった。アメリカが近く利上げを一時休止するとの観測から、ドル売りに歯止めがかからない。一方、原油高を嫌気したアメリカ株式相場の下落が、円高もあり日本にも波及した。
円高は、アメリカの経常赤字や日銀のゼロ金利解除を見越した日本の金利先高観などを背景に、4月下旬以降早いペースで進んできたが、12日の東京市場の円相場は「心理的な抵抗線」とされる1ドル=110円をあっけなく突破した。電機や自動車など輸出関連企業の業績悪化懸念が高まった。
急激な円高は・株安は、デフレ脱却宣言が視野に入ってきた回復基調の日本経済に冷や水を浴びせかねない。このため、政府・日銀が2年以上も行なって来なかった円売り・ドル買い介入に踏み切るかどうかが焦点となってきた。政府・日銀が最後に介入したのは、04年3月16日で、円相場は1ドル=110円前後であったが、当時は景気回復の足取りも重く輸出企業を下支えする必要があった。しかし、現在は経済も力強さを増しており、円相場の水準だけで比較は出来ず、介入に踏み切るかどうかは不透明である。
(1)トヨタ、売上高21兆円(5/11) **
トヨタ自動車の06年3月期連結決算は、売上高が前期比13.4%像の21兆369億円と、日本の製造業で初めて20兆円を上回った。世界の自動車業界で、ゼネラル・モーターズ(GM)、ダイムラー・クライスラーに次ぐ第3位である。好調なトヨタに対し、原油高を背景に低燃費車で出遅れた欧米勢は低迷が予想され、07年3月期にはトヨタが世界一の座に就く公算が大きくなっている。
トヨタの税引き後利益は、17.2%増の1兆3,721億円と3年連続で1兆円を突破し、4年連続で過去最高を更新した。本業のもうけを示す営業利益は12.3%増の1兆8,736億円と6年連続で過去最高を更新した。世界各地で取り組む「カイゼン活動」によるコスト削減効果が貢献した。
全世界の販売台数では、連結対象外となる海外合弁企業も含め、約825万台で、GMに次ぐ2位である。