3月第4週(3/19〜3/25) メインテーマ:公示地価、3大都市圏の商業地「脱デフレ」(最高3つの*)


[雇用情勢]

(1)リストラの10年終わった、メガバンク攻めの採用(3/23) **

 大手金融グループの三菱UFJフィナンシャル・グループとみずほフィナンシャル・グループは、07年春にそろって2,000人規模の新卒採用に踏み切る。積極採用の背景には、不良債権処理が峠を越え、06年度末には公的資金の完済も視野に入った経営の改善がある。大手行は、業績低迷期に新卒採用を絞ったため、若手社員の数が不足気味である。大量採用は、財務改善を受けた「攻めの経営への転換」である。また、人でないとできないサービスのために、人員を補充する予定である。

 金融の自由化が進み、金融グループの業務範囲は大きく変化した。銀行での保険の窓口販売や証券仲介業など、業務の窓口が広がり、採用は専門性の高い人材の確保が重視されている。また、理工系の採用を積極化して金融工学の専門家も育成するなど、収益力向上を目指した取組みも強化している。

 しかし、他の金融グループも大幅に採用を増やす計画であり、特に理工系の学生は、メーカーとも奪い合いになり、優秀な人材の確保は容易ではない。

 一方、新卒社員が戦力になるには時間がかかるため、中途採用や派遣社員の活用も積極化している。人材派遣大手のパソナによると、昨年後半から都市銀行や信託銀行など金融機関からの受注が前年比30〜40%増と急激に伸びているという。


[先頭] [Home] [今週のトピック目次]

[地価の動向]

(1)公示地価、3大都市圏の商業地「脱デフレ」(3/24) ***

 国土交通省によると、06年1月1日時点の公示地価は、全国平均で前年を2.8%下回り15年連続で下落した。しかし、下落幅は縮小し東京、大阪、名古屋の3大都市圏の商業地は揃って15年ぶりに上昇に転じ、大都市では脱デフレが鮮明となっている。

 しかし、地方の調査地点の9割以上で下落が続き、「地価の二極化」は一段と明確になってきた。

 都道府県別では、東京が住宅地、商業地とも15年ぶりに上昇に転じ、大阪、京都、愛知の商業地も15年ぶりに上昇に転じた。一方、高知など9県の住宅地と、熊本の商業地は下落幅が拡大した。青森、秋田の商業地の下落幅は前年に続き10%以上であった。


[先頭] [Home] [今週のトピック目次]

[金融市場]

(1)個人金融資産1,500兆円突破(3/25) ***

 日本銀行によると、昨年12月末の個人金融資産が1,500兆円の大台を突破した。景気回復などにより、株式市場が回復し、日経平均株価も昨年1年間で約40%回復し、個人投資家が株高の恩恵を受け、投資信託の運用も好調で家計収入が増えた。02年末には、預貯金が56.5%、投資信託・株式が8.3%であったが、05年末にはそれぞれ51.9%、14.8%と、貯蓄から投資への動きが明確になっている。


[先頭] [Home] [今週のトピック目次]