3月第3週(3/12〜3/18) メインテーマ:「アメリカ経常赤字過去最大へ」(最高3つの*)


[金融市場]

(1)銀行貸出残高0.2%増、8年2ヶ月ぶりプラス(3/12) ***

 日本銀行によると、全国の銀行の2月の貸出残高は383兆3,373億円と、前年同月比0.2%増と、97年12月以来8年2ヶ月ぶりにプラスとなった。

 景気回復を背景に、企業の設備投資や住宅ローンなどの資金需要が上向いていることが主な要因である。内訳を見ると、都市銀行などは1.4%減で約208兆円の貸出とマイナスが続いているが、地方銀行と第二地方銀行の合計は2.1%増で約176兆円の貸出と11ヶ月連続で増加した。

 全国の銀行の貸出残高は96年3月に536兆6,000億円のピークをつけた後、景気後退の影響で05年6月に376兆円まで落ち込んでいた。


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[雇用情勢]

(1)春闘集中解答、賃上げ復活(3/16) **

 高らかに宣言するまでではないが、賃上げ春闘の復活といえるだろう。

 春闘相場のリード役といわれるトヨタ自動車は、労組の要求どおり月額1,000円の賃上げを解答した。5年ぶりの有額解答である。電機の各労組は月額2,000円の引上げを要求したが、経営側の解答は500円と1,000円に分かれた。同額要求・同額回答という電機各社の横並びの慣例が崩れる結果となった。電機業界の競争は激しく、金額までそろえる交渉はもはや見直す時期であろう。

 各業界の経営側は、一様に国際競争の激しさを強調した。業績の回復分は一時金で応えており、固定費の増加につながる賃上げは、経営基盤を揺るがしかねないと主張している。賃上げゼロの時期の間に、年功型から成果主義へと、賃金制度を変える企業が相次いだ。賃上げ回答が出ても、従業員には評価に応じて配分される。

 これから中小企業の交渉も始まる。流通業界などでは、パート従業員の待遇改善の交渉も活発になってきた。大手企業の賃上げ結果を広く波及させていくことが重要である。


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[アメリカ経済]

(1)アメリカ経常赤字過去最大へ(3/15) ***

 アメリカ商務省によると、アメリカの経常赤字は4年連続で過去最大を更新する見通しである。アメリカ国内では、最大の貿易赤字相手国である中国の人民元を巡る不満が改めて高まっている。

 ブッシュ大統領は、中国が通貨を変動相場制にすべきであるとして、中国が昨年7月の切り上げ後も人民元の対ドルレートを低く抑えていることに強い不満を表明した。アメリカは中国に自主的な努力を求めてきたが、今秋の中間選挙を控えた議会からの圧力が高まるのは確実である。

 一方、アメリカ経常赤字の拡大は対中不均衡にとどまらない。国際通貨基金(IMF)は、アメリカ経常赤字と財政赤字の双子の赤字が市場でドル急落を招く潜在的な脅威が膨らんでいると警告している。


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