3月第2週(3/5〜3/11) 「日銀、量的緩和解除へ」(最高3つの*)


[物価動向]

(1)1月の消費者物価の「中核指数」初のプラス(3/14) ***

 消費者物価指数(CPI)のうち、原油高などの特殊要因を除いた「中核指数」が、1月は前年同月比0.13%上昇し、査を始めた04年1月以降で始めてプラスに転じたことが分かった。04年1月は、前年同月比0.60%のマイナスであったが、徐々にマイナス幅が縮小し、昨年10〜12月は3ヶ月連続で0.03%の小幅な下落となっていた。

 CPIの中核指数は、石油製品や電気・都市ガス代、生鮮食品、固定電話通信料など、天候や原油価格の動向、制度改定などの影響で価格が振れやすい品目を差し引いた指数である。総務省が公表するCPIを、内閣府が独自に分析して算出する。


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[金融政策]

(1)日銀、量的緩和を解除(3/10) ***

 日本銀行は、9日の政策委員会・金融政策決定会合で、01年3月から続けた「金融の量的緩和策」の解除を決め、即日実施した。しかし、当面はゼロ金利を維持し景気を支える。出回るお金の量を増やし経済をてこ入れする異例の金融政策は終わり、金利を上げ下げする本来の手法に戻る。

 量的緩和策は、金融システム不安を抑え景気が立ち直るきっかけを作った。2003年には大手行の多くが巨額の赤字に陥ったが、量的緩和策の効果もあり98年のように金融不安は起きなかった。そして、量的緩和策により中・長期の金利も抑えられ、借金を抱えた企業の金利負担が軽くなり、企業はリストラに取り組みやすくなった。これがその後の業績の回復につながった。政府も国債の利払い費の増加を抑えることが出来た。

 今後は、デフレ脱却を確実にするため、日銀は当分の間は短期金利をゼロに誘導しつづける予定である。しかし、住宅ローンなどは、景気回復や将来の金利上昇を見越して貸付金利が徐々に引上げられているのは、要注意である。


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[知って得する用語:日銀の政策委員会・金融政策決定会合]

 日銀総裁、2人の副総裁、審議委員6人の計9人がメンバーである。

 政府からも財政相、経済財政相か、代理の政府職員がオブザーバーとして出席する。月1〜2回開催され、経済と物価の見通しを示す「展望レポート」公表する4月と10月は、必ず月2回開催する。日銀が対外的に景気認識などを公表する金融経済月報も、ここでまとめられる。さらに、金融政策の運営方針を多数決で決める。政府からの出席者は採決に加われないが、意見の表明、議案提出、次回までの議決の延期請求ができる。

 かつては、休眠委員会と揶揄されていたが、98年4月の新日銀法施行で、名実ともに最高意思決定期間となってから、議論が紛糾することも少なくない。


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