6月第2週(6/4〜6/10)「欧州金利0.25%上げ」(最高3つの*)
(1)地方6団体、「分権改革」停滞に危機感(6/8) **
全国知事会など地方6団体は、地方分権に関する意見書を提出した。地方自治法が定める意見提出権の行使は12年ぶりで、分権改革論議の停滞に対する地方側の強い危機感が表れた形である。
分権改革では、昨年まで地方6団体が進めてきた三位一体改革のその後の道筋が定まっていない。一方で、政府・与党が進める歳出歳入一体改革では、地方財政の歳出削減が大きな焦点となり、地方交付税として地方に配分する国税諸項目の割合である法定率の引き下げも検討されている。地方には、分権改革は置き去りにして、歳出削減を押し付けようとしているという反発が強い。竹中総務相は、人口と面積を基本に配分する「新型交付税」などを打ち出した。地方側は、交付税総額を削りやすくするための手立てではないかと警戒感を強めている。
分権改革による国の関与・廃止につながる新法制定には、各省庁による大反対が予想され、国から地方への税源移譲には財務省が反発している。
(2)個人向け国債、人気高まる(6/10) **
夏の個人向け国債の募集受付が、全国の証券会社や銀行、郵便局などで始まった。財務省は、大量の国債発行の中で、個人投資家にも国債を保有してもらおうと、03年3月から個人向け国債の発行を開始し、年4回発行している。市場金利上昇を背景に、10年満期の金利変動型の最初の半年の適用利率は年1.1%、5年満期の固定型は年1.3%と、共に発売開始以来最高の利率で、初日の出足も好調であった。ボーナス時とも重なり、預金より有利な金融商品として、個人投資家らの期待は大きそうである。
金利変動型は、市場金利に合せ半年ごとに利率が見直され、今後金利上昇を予想する個人投資家らの人気が高い。一方、固定型は、今後5年間1.3%で変わらないが、大手銀行の5年満期の定期預金金利(0.3~0.4%前後)を大きく上回っているのが人気の理由である。そして、共に1万円から購入できる手軽さも、人気につながっている。
(1)5月の街角景気、2ヶ月連続悪化(6/9) ***
内閣府は、タクシー運転手など景気に敏感な職業の人に「街角の景気」を聞く5月の景気ウォッチャー調査の結果を発表した。
景気の現状を3ヶ月前と比べた判断指数(DI)は、前月より3.1ポイント低い51.5と2ヶ月連続で低下した。地域別でも、全国11地域すべての現状判断指数が2ヶ月連続で悪化した。ただ、景気判断の分かれ目となる50を13ヶ月連続で上回っているため、内閣府は「景気は回復している」との基調判断を5ヶ月連続で据え置いた。
(1)欧州金利0.25%上げ(6/9) ***
欧州中央銀行(ECB)は,ユーロ圏12カ国の主要政策金利を現在の2.5%から2.75%へ引上げることを決定した。利上げは、今年3月以来3ヶ月ぶりである。
ユーロ圏は、最近発表された各経済指標が予想を上回る景気回復ぶりを示しており、通貨供給量の伸びなども、目立っている。このため、ECBはインフレを未然に防ぎ、原油高などが物価上昇に波及する事態を避ける姿勢を鮮明にした。 今後については、今年中に年3.25%にまで上昇するとの見方が支配的となっており、少なくとも年内あと2回は利上げが続くと見られている。