6月第5週(6/25〜7/1)「堅実景気、内需軸に息長く」(最高3つの*)
(1)設備投資、先行き堅調(7/9) ***
設備投資の先行きは、堅調に推移する見通しである。景気の先行指標となる機械受注額(6〜9ヶ月先の設備投資を示す指標とされる)は、5月の船舶・電力を除く民需が1兆1千億円台と高水準を維持している。4〜5月平均でみると、1〜3月平均に比べて6.3%増となった。また、6月の工作機械受注は、45ヶ月連続で前年同月を上回り、1〜6月の上期ベースで過去最高に達した。これらを材料に、日経平均株価は、1万5,500円台を回復した。
(1)EU、マイクロソフトに追加制裁(7/13) **
欧州連合(EU)の欧州委員会が、ソフトウェア最大手の米マイクロソフトに対して追加的な制裁を科し、厳格な対応を貫いたのは、欧州内のソフト市場を米企業に席巻されることに、警戒感を示したものと見られる。ただ、マイクロソフトは制裁に反発し、訴訟での解決を目指す意向である。 今回の追加制裁は、ウィンドウズ用のソフト開発をしやすくする技術情報の提供が不十分と判断されたことが理由である
欧州委員会は、ウィンドウズの根幹部分の技術情報を提供するように求めてきたが、これに応じていないとしている。一方、マイクロソフトは、技術情報の公開は欧州と米国で同程度だが、米国では取引先企業からの批判は受けていないとしている。
マイクロソフトは、今月末までにEUの是正命令に従わないと、1日300万ユーロの制裁金を科されるため、欧州の裁判所への提訴などの対応をとる考えである。すでに、04年3月の制裁金と情報開示命令を不服として、同年6月にEU第一審裁判所に提訴して係争中である。
一方、マイククロソフトは、07年に発売予定の次期基本ソフト「ウィンドウズ・ビスタ」でも応用ソフトを併せて販売すると見られており、欧州委は3月にこれに対する警告を行なった。この抱き合わせ販売を強行すると、さらに追加制裁が行なわれるのは確実である。
(1) 日銀ゼロ金利解除(7/15) ***
日本銀行は、政策委員会・金融政策決定会合で、ゼロ金利政策の解除を決め、短期金利(無担保コール翌日物)の誘導金利を、即日年0.25%に引上げた。金融機関への貸し出しに適用し、事実上の短期金利の上限となる公定歩合は、年0.1%から0.4%へと引上げることを決め、即日実施した。今後も低金利を維持し、景気回復の足を引っ張らないように配慮する。ゼロ金利政策は、5年4ヶ月ぶりに幕を閉じた。
また、日銀は、7月の金融経済月報で、景気の総合判断を緩やかに拡大していると上方修正した。「拡大」の表現は、14年振りである。 福井総裁は、解除の理由として、「景気は長い拡大を続けると見込まれる中、ゼロ金利を維持しつづけると、将来、経済・物価が大きく上昇する可能性がある」と述べた。