8月第4週(8/20〜8/26)メインテーマ:「上場企業、負債依存度30%下回る」(最高3つの*)
(1)ニートに発達障害例、就労支援策見直しへ(8/24) **
仕事も通学もせず、職業訓練も受けていない15〜34歳の若者を指すニートについて、一部に発達障害のある人が含まれていることが判明したため、厚生労働省は就労支援の内容を見直す方針を決めた。
調査は、ニートの就職・支援施設4ヶ所を選び、施設を利用したことがあるニートの若者155人について、行動の特徴や生育歴、指導記録などを心理の専門職が調べた。この結果、計36人、23.2%に発達障害またはその疑いがあることが分かった。発達障害は、生まれつきの脳の機能障害で、自閉症や注意欠陥多動性障害などが知られている。コミュニケーションが苦手なことが多いが、就職して能力を発揮することも少なくない。厚生労働省によると、発達障害のある人は、集団で行動するニート施設を利用しない傾向がある。そのため、支援施設にこない人を含めると、割合がさらに高くなる可能性がある。
同省は、実態をさらに把握した上で、支援機関に心理学などの専門職を配置するなど、きめ細かい支援のあり方を検討する予定である。
(1)上場企業、負債依存度30%下回る(8/25) ***
上場企業の金利上昇への抵抗力が増している。総資産に対する有利子負債依存度は、05年度末で27%台と、バブル後初めて30%を下回った。収益増で総資産が増える一方、余剰資金を借金返済に振り向けたためである。上場企業1,700社あまりのうち、実質的に負債がない企業も3社に1社にのぼる。そのため、今後の金利上昇局面でも、投資などを継続しやすくなっている。
05年度末の有利子負債依存度は、前年度より2.6%改善し27.7%であった。有利子負債額が148兆円と1%減る一方、株式相場の上昇により総資産は8%増の535兆円に拡大した。有利子負債依存度は、直近ピークの93年度末の41.6%より14%近く下がった。バブル崩壊後は、過剰債務が企業収益の足かせとなってきたが、リストラ効果や景気回復などから経営体質は着実に強化されてきた。金融環境の変化に影響されにくい財務体質は、海外企業との競争力を保つ上でも強みといえる。
(1)国の債務超過20兆円増(8/26) **
財務省が発表した04年度の国の財務書類によると、一般会計、特別会計などを合わせた国の財政状況は、資産を負債が上回る債務超過が続き、債務超過額が276.6兆円と前年度より20.2兆円拡大した。新規国債の発行などで、財政の悪化が進んだためである。財政再建への道筋は、険しさを増している。
国の資産と負債の状況を示す貸借対照表によると、資産は10兆円増加して700.3兆円で、負債は資産の増加分を上回る30.2兆円増えて976.8兆円となり、債務超過の幅が拡大した。
(1)経済共同体創設5年前倒し合意(8/23) ***
東南アジア諸国連合(ASEAN)は、クアラルンプールで開幕した経済閣僚会議で、域内の人、物、サービスの流れを自由化するASEAN経済共同体(AEC)の創設目標を5年前倒し、2015年とすることで実質合意した。12月の首脳会議で正式に決める。
マレーシアのアブドラ首相は、「15年までにAECを創設しないと、ASEANは重要な投資先としての地位を失いかねない」と強調した。ASEANは、15年までに域内関税の撤廃を目指すASEAN自由貿易地域(AFTA)計画に加え、昨年はサービス、貿易も15年までに自由化する方向を打ち出した。また、各国の看護師資格を相互に認め合うことで合意した。