4月第5週(4/23〜4/29) 「日銀展望、デフレほぼ脱却」(最高3つの*)


[所得分配]

(1)格差社会分かれる評価(4/27) **

 経済産業省が公表したアンケート調査結果で、格差社会について是正を求める意見と肯定的な意見が拮抗している現状が浮き彫りとなった。

 所得格差について、「もう少し是正したい」と「是正されるべき」が合計46.7%だったのに対し、「能力や努力の結果」と「やる気のために必要」など肯定的な意見も合計47.6%にのぼり、意見が大きく分かれた。一方、格差拡大を感じる理由を複数回答で聞いたところ、「一部の起業家など高い報酬を得る人の増加」が最も多く45%で、「リストラや倒産で収入が下がる人が増加」が42%などが続いた。


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[金融政策]

(1)日銀展望、デフレ「ほぼ脱却」(4/29) ***

 日本銀行は、4月の展望レポートで、日本経済はデフレからほぼ脱却したとの見方を示した。06年度の物価見通しは前年度比プラス0.6%、07年度はプラス0.8%に上昇し、需給ギャップは超過供給状態が解消し、現在はゼロ近傍にあるとした。日銀のこの強気の見方により、市場では今夏にもゼロ金利が解除されるとの見方が強まりそうである。

 今後の金融政策のシナリオについて同レポートは、経済・物価情勢の変化に応じて徐々に金利水準の調整を行なうと指摘した。福井総裁も、利上げの遅れがインフレを引き起こすことに懸念を示した。


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[アメリカ経済]

(1)アメリカ1〜3月GDP4.8%増(4/29) ***

 アメリカ商務省によると、1~3月のGDP実質成長率の速報値は、年率換算で前期比4.8%と2年半ぶりの高い伸びとなった。これでFRBが追加利上げするのは確実な情勢である。

 個人消費は5.5%の高い伸びとなり、設備投資は14.3%、輸出は12.1%という高い伸びであった。一方、住宅投資は2.6%の伸びに留まり、バブルが指摘された住宅市況の減速が鮮明となった。 FRBのバーナンキ議長は、「健全な成長を支えるには、インフレを警戒するのが最も重要である」と述べ、2004年以来16回連続の利上げを行う公算が大きい。


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