4月第4週(4/16〜4/22)「中国GDP10.2%増、投資過熱を警戒」(最高3つの*)
(1)賃上げ率1.65%に上昇(4/17) ***
日本経済新聞社によると、主要208社の月例給与の賃上げ率は1.65%で、額では5年ぶりに五千円台に回復した。業績回復が進み、人材確保も必要なことから、自動車や電機がけん引役となり賃金改善が進んでいる。年間一時金は前年の伸びは下回ったが、4年連続の増額である。賃金、一時金の増加は、個人消費を後押ししそうである。
208社の基準内賃金は30万3,344円で、賃上げ額は5,019円である。02年以降、賃金を一律的に引上げるべースアップを実施しない年が続いたが、この一、二年は景気回復の足取りも強いことから、企業が人材確保や士気向上には高水準の賃上げを実施することが得策と判断した模様である。
(1)消費者態度指数、14年9ヶ月ぶり高水準(4/18) ***
内閣府による3月の消費動向調査では、今後半年間の消費意欲などを示す消費者態度指数が、2人以上の一般世帯で前回の12月調査より0.3ポイント高い48.2と、91年6月以来14年9ヶ月ぶりの高水準となった。内閣府は、消費者心理の基調判断を「改善している」として、3ヶ月連続で据え置いた。
特に、同指数を構成する4つの消費者意識の指標のうち、「雇用環境」は53.7と、89年12月以来16年3ヶ月ぶりの高水準となった。
(1)原油高騰、企業、打撃回避に躍起(4/18) ***
原油価格の上昇に歯止めがかからない。17日に、ロンドンの先物で史上初の1バレル=71ドル台を記録し、ニューヨークの先物で再び一時1バレル=70ドル台に突入し、原油高が一段と懸念される事態となってきた。市場では、投機資金の流入が勢いを増し、原油高の勢いが止まる兆しはない。国内企業は、製品の値上げや一層のコスト削減努力により、業績への打撃を抑えようと躍起である。
今回の急騰は、需給双方に原因があり、市場では長期化を予想する向きが多い。供給側では、イランの核開発を巡る国際情勢の緊迫化や、良質の原油を産出するナイジェリアの政情不安が懸念材料である。需要側は、乗用車の急速な普及によるガソリン消費の増加や工業化が著しい中国の需要も、価格押し上げの一因となっている。
(1)中国GDP10.2%増、投資過熱を警戒(4/21) ***
中国の1〜3月の国内総生産(GDP)の実質伸び率が、設備投資などの固定資産投資に引っ張られ、前年同期比10.2%増と2ケタの高い伸びを示し、中国政府は投資過熱への警戒を強め始めた。しかし、国内消費が力不足で、投資を抑制すれば景気が減速する可能性もあり、中国政府は微妙なさじ加減が求められる。
設備投資や不動産投資などの合計である固定資産投資の伸び率は、同27.7%増と、昨年同期の伸びを上回る勢いである。そして、通貨供給量の伸びも著しく、3月末で同18.8%増であった。
今後は、投資が特に活発化している製造業などで設備投資の許認可を取りやめたり、銀行の窓口指導で融資を抑えるなど応急措置を取りながら、行方を見守る可能性が高い。