4月第3週(4/9〜4/15) 「日銀、ゼロ金利維持決定」(最高3つの*)
(1)日銀、ゼロ金利維持決定(4/12) ***
日本銀行は、政策委員会・金融政策決定会合で、現行のゼロ金利政策の維持を全員一致で決めた。金融政策の焦点は、ゼロ金利解除の時期に移っているが、ゼロ金利解除の時期は今後不透明である。
日銀は量的緩和策の解除の条件は示したが、ゼロ金利解除の条件は明確に設定していない。
日銀は、量的緩和策の解除時に、政策委員会が安定的と考える物価上昇率の範囲を0〜2%程度と公表し、現在の物価はこの範囲で推移している。現在の物価、資産価格の両面から見て、日銀は、ゼロ金利解除に踏み切る必要性は感じていないと見られる。
しかし、日銀当座預金残高が30〜35兆円程度から、金融機関が本来必要な額である6〜10兆円程度に減少する今夏にゼロ金利解除の環境は整うとの見方が多い。政府は、小泉首相の任期が切れる9月より前の今夏にもデフレ脱却宣言をする可能性があり、その前後にゼロ金利解除の観測が一気に市場に広がる可能性が高い。
(1)特別会計改革、各省庁の反発必至(4/12) **
非効率な運営が多い国の特別会計(特会)改革の議論が本格化してきた。11日の衆院行政改革特別委員会では、特会を含む行政改革推進法案を巡り、論戦が展開された。同法案には、特会の削減や剰余金圧縮などの方向性が示されている。特会ごとの具体的な見直しでは、各省庁の強い抵抗が予想され、改革が数合わせに終わりかねないとの懸念も出ている。
特会の純計額は、約225.3兆円と一般会計の規模をはるかに超える。特会の数が多過ぎて監視が届きにくく、無駄な支出が行なわれやすいなどの指摘が多い。このため、行革推進法案では31ある特会を2分の1から3分の1程度に減らすと共に、特会にある剰余金のうち計20兆円を財政健全化に活用する方針を盛り込んだ。必要性が薄れた特会の廃止、一般会計への統合、特会同士の統合などを今後5年をメドに完了し、徹底した効率化を図る方針である。行革推進法案は改革の方向性を示すプログラムで、特別改革の具体的な中身を決めるのはこれからである。しかし、具体論に踏み込むと、各省庁の反発が強まるのは必至である。
(1)1ドル7元台目前、人民銀行が元高誘導か(4/11) ***
週明け10日の人民元相場は、元高・ドル安の1ドル=8.0022元をつけ、1ドル=7元台が目前となった。20日の米中首脳会談を前に、対中貿易赤字を根拠に強まるアメリカ政府・議会の元切り上げ圧力を緩和するため、中国人民銀行(中央銀行)が元高へ誘導するとの観測が市場に広がっている。しかし、貿易黒字を背景に中国の外貨準備高は、2月末に日本を抜いて世界一となっており、対中圧力は一段と強まるとの見方も多い。
たとえ7元台に突入しても、昨年7月の人民元切り上げ時の1ドル=8.1100元からの累積の人民元上昇率はわずか1.3%強である。これにより、アメリカ側の元切り上げ圧力をかわせる可能性は低い。中国は、年内にも、もっと大幅の人民元再切り上げを迫られる公算が大きくなっている。
2月末の中国の外貨準備高は、8,536億ドルに達し世界最大となり、人民銀行の呉総裁は、一般企業の外貨保有と海外投資を徐々に自由化する方針を示しており、企業が保有する外貨が直接海外投資へ向かえば、外貨準備を抑える効果が期待できる。