1月第4週(1/22〜1/28) メインテーマ:「アメリカGDP減速」(最高3つの*)


[競争政策]

(1)日本郵政会社(1/25) **

 民営化後に持ち株会社に移行する日本郵政会社が発足し、社長に西川前三井住友銀行頭取が就任した。民営化により、日本郵政公社は、郵便、郵便局、貯金、保険の4つの事業会社に分かれ、政府が設立する持ち株会社の傘下に置かれる。26万人の職員、資産を4社にどう割り振るのか、各社はどんな事業を展開するのか。こうした計画を策定するのが日本郵政会社である。郵便貯金や簡易保険により集められた巨額の資金は、財政赤字の穴埋めや、特殊法人に流れて非効率な事業を支えてきた。法人税免除など郵政事業への様々な優遇措置が、公社による民業圧迫につながってきた。改革の狙いは、こうした構造を改めることにあった。

 民営化後の新会社は、様々な新規事業への進出が可能となる。このため、新会社が一段と巨大化し、各事業で既存の民間会社を圧倒するのではないかという懸念も出ている。新会社が安定的な収益基盤を確立しなければ、民間会社として独り立ちできない。同時に肥大化への懸念にも配慮する必要がある。 


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[雇用情勢]

(1)有効求人倍率1倍台回復、13年ぶり(1/27) ***

 厚生労働省によると、2005年12月の有効求人倍率が、1992年9月以来、13年3ヶ月ぶりに1倍台を回復することが明らかになった。景気回復により雇用環境が改善し、求人数が求職者数を上回ったと見られる。

 有効求人倍率は、公共職業安定所で扱う求職者一人当たりの求人数の指標である。バブル崩壊の92年10月に1倍を切ってから下落が続いたが、99年5、6月に0.46倍で底を打った後は回復傾向に入り、05年11月は0.99倍であった。


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[金融政策]

(1)消費者物価連続プラス、量的緩和に解除に追い風(1/28) ***

 総務省による12月の消費者物価指数(CPI)は、生鮮食品を除く総合で98.1となり、前年同月比で0.1%のプラスとなった。7年8ヶ月ぶりに2ヶ月連続プラスとなったことで、日本銀行が5年近く続けてきた量的緩和策は、解除に向け前進したとの見方が出ている。

 日銀は、解除の条件として、CPIの前年比上昇率が安定的にゼロ%以上になることを掲げている。CPIは、昨年10月が0.0%で、3ヶ月連続ゼロ%以上となり、安定的という解除条件を満たしつつある。ただ、CPIのプラス幅はまだわずかで、日銀が解除論議を本格化させる数字ではない。GDPデフレーターなどを考慮しなければならないという意見もあり、政府は慎重な見方をなお崩していない。


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[アメリカ経済]

(1)アメリカGDP減速(1/28) ***

 アメリカ商務省によると、昨年10〜12月期のGDP速報値は、前期比1.1%増に留まり、2〜3%台を見込んだ市場予想を大幅に下回った。この減速の背景には、自動車メーカーが値引き合戦を繰り広げた反動で、今期の販売が急激に落ち込んだことや、バブルが指摘される住宅投資が、度重なる利上げで陰りが見え始めたことがある。また、昨年は、大型ハリケーンが相次ぎ、個人消費意欲がそがれたと見る向きもある。アメリカのGDPは、前期まで10四半期連続3%以上の成長を続けてきた。

 FRBは、インフレ懸念などを理由に、31日にも追加利上げを決める見通しである。しかし、成長の減速が続くようだと、2月1日に就任するバーナンキ新FRB議長は、利上げ停止か継続かの極めて難しい判断を迫られそうである。


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