1月第3週(1/15〜1/21):「日銀、量的緩和早期解除へ自信」(最高3つの*)


[雇用情勢]

(1)労働時間規制(1/16) **

 賃金と並び重要な労働条件である労働時間を一定範囲内に抑える規制である。労働基準法は、法定労働時間を1日8時間、週40時間以下として、これを超える残業や休日の労働には雇用主が割増賃金を支払うことを義務付けている。また、6ヶ月以上継続して勤務した従業員に20日を上限に年次有給休暇を与えなければならない。

 パートなど非正規雇用の拡大や企業の国際競争の激化などを受け、労働時間の二極化が進んでいる。30代男性を中心に週60時間以上働く人が増えており、長時間勤務の常態化が少子化の一因との指摘もある。


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[株式市場]

(1)株式分割でなぜ急騰(1/17) ***

 ライブドアの株高経営の原動力となったのが、株式の大幅な分割である。株式の大幅な分割とは、1回の分割幅を大きくした株式分割のことである。ライブドアは、03年8月以降1年間に、累計で1万分割した。株価が急上昇したこともあり話題を集め、以降、新興企業を中心に100分割以上の大幅分割に踏み切るケースが増えた。

 株式分割では企業価値は変わらず、理論上は1株の価値である株価は下がる。しかし、分割による新株発行には50日前後必要で、当時は発行されるまで新株を売りたくても原則売れなかった。100分割では、1株に対し実質的に99株が市場に存在せず、流通株数が極端に品薄状態になるわけで、何らかの材料が出て買いが入れば、株価は急騰しやすくなる。

 株式分割は、本来小口株主を増やし円滑な株価形成を促すための有力な資本政策である。しかし、株価上昇だけを狙った大幅分割は、結果的にマネーゲームとなり、その後の株価の乱高下を招きやすい。ただ、東京証券取引所は、昨年3月、5分割を超える株式分割を自粛するように要請したことで、大規模な分割は難しくなった。また、分割後すぐに新株を売れるようになり、制度の歪みは解消した。


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[景気動向]

(1)月例経済報告、1月緩やかに回復(1/20) ***

 与謝野経済財政担当相は、景気の現状について「緩やかに回復している」とする1月の月例経済報告を関係閣僚会議に提出した。6ヶ月同じ基調判断を示したが、来月の上方修正の可能性も示唆した。

 個人消費は、内閣府の消費総合指数が昨年11月に前月比0.5%増で4ヶ月連続の増加となった。雇用情勢も、悪化する状況にはないとしている。設備投資は、先行指標の機械受注が増加基調を続けている。生産は、増加している業種範囲が安定的に拡大している。輸出も中国を中心に伸びている。

 先行きについては、民需に支えられた景気回復が続くと見込む一方で、原油価格が内外の経済に与える影響を留意する必要があるとした。


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[金融政策]

(1)日銀、量的緩和早期解除へ自信(1/21) **

 日本銀行は、20日に4ヶ月ぶりに景気の総括判断を上方修正すると共に、金融の量的緩和策の解除の条件に掲げる消費者物価指数(CPI)もプラス基調になっていくとの見通しを示した。これを受け、日銀は、今春に見込む解除に向け時期を探る考えだが、政府が合意するのは容易ではなく、議論はこれからヤマ場を迎える。

 日銀はCPIが安定的に0%以上になることなどを解除条件に掲げているが、昨年10月は0%、11月もプラス0.1%になっている。また、昨年10月の展望リポートで示した06年度のCPIの前年度比上昇率プラス0.5%の見通しを据え置き、先行きもプラスが続くとの予測を示した。福井総裁は、デフレ脱却に自信を深め、基本的な判断は毎月着実に前進し、06年度にかけて解除の可能性が高まっていくとして、強気である。


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