3月第1週(2/26〜3/4) メインテーマ:「欧州中銀0.25%利上げ」(最高3つの*)
(1)1月の一致、先行指数50%超す公算(3/2) ***
内閣府によると、1月の景気動向指数(速報)で、景気の現状を示す一致指数と数か月先の見通しを示す先行指数が、ともに景気判断の分かれ目となる50%を超す公算が大きくなった。一致指数は6ヶ月連続、先行指数は4ヶ月連続で50%を超える。
一致指数は、速報段階の9指標のうち6指標が、比較対象となる3ヶ月前(10月)より改善した模様である。
日本銀行は、8、9日の政策委員会・金融政策決定会合で量的金融緩和策の解除を視野に検討を進めているが、良好な景気動向指数は解除への追い風となると見られる。
(1)三菱UFJ公的資金3,165億円返済(3/1) **
三菱UFJフィナンシャル・グループは、国が優先株を引受ける形で購入している公的資金8.205億円のうち、3,165億円を3月上旬に返済すると発表した。残りの5,040億円も今夏までに完済する方針である。注入時よりも株価が上昇しているため、差額の約1,840億円が国の利益となる。昨年10月に誕生した三菱UFJは旧UFJの公的資金1兆4,000億円を引き継いでいたが、完済する方向である。
なお、住友信託銀行は3,000億円の公的資金を04年1月までに完済しており、みずほも今夏までに完済する計画である。他の大手行の公的資金残高は、次のとおりである。
みずほフィナンシャル・グループ 6,000億円
三井住友フィナンシャル・グループ 1兆1,000億円
りそなホールディングス 2兆9,252億円
三井トラスト・ホールディングス 4,323億円
(1)欧州中銀0.25%利上げ(3/3) ***
欧州中央銀行(ECB)は、ユーロ圏12カ国の主要政策金利を現行の年2.25%から2.5%とすることを決定し、8日から実施する。ECBの利上げは、5年2ヶ月ぶりに利上げした05年12月以来3ヶ月ぶりである。
ユーロ圏内では好調な輸出に支えられ、域内投資が増えている。これが雇用回復と個人消費の増加につながる好循環が期待されている。欧州委員会は、2006年は1.9%成長と予測している。また、ドイツの主要景況感指数は3ヶ月連続改善し91年10月以来の水準に達し、景気は着実な回復軌道にある。
ECBのトリシェ総裁は、利上げを長期的な物価上昇リスクを警戒した結果だと説明した。ECBは、エネルギー価格の高騰や堅調な通貨供給の伸びにより、物価は上ぶれリスクがあると指摘している。