インフォーメーション・サービ89:2006年度対策 経済史・経済事情 連載第4回


W 企業部門

1 設備投資の動向

(1)実質民間設備投資は、景気拡大期には増加し、景気後退期には減少する傾向にある。

(2)2001年からの景気後退により、2001年度の実質民間設備投資は、前年の高い伸びから前年度比0.8%増にとどまった。そして、2002年には、前年の景気後退の影響で、実質民間設備投資は同6.7%減であった。

(3)しかし、2003年度は、後半に景気回復が確かなものとなってきたため、実 質民間設備投資は同6.3%の高い伸びとなった。そして、2004年度も同 6.0%の高い伸びであった。好調な企業業績を背景に、設備投資の高い伸びは今後も継続するものと見られる。

2 企業収益(以下、連結べ−ス)

(1)2000年度の上場企業の経常利益は、IT需要が上期に拡大したため、前年度比41%増えた。

(2)しかし、景気後退入りした2001年度の上場企業の経常利益は、前年度比42.4%減となり、IT不況とリストラにより3割の企業が赤字となった。

(3)2002年度は、景気回復により、売上高が前年度比0.8%増、経常利益が前年度比70.6%増となり、2000年度以来の増収増益となった。2003年度も、後半の本格的景気回復により、上場企業の売上高は3.3%増、経常利益は29.9%増となり、2年連続の増収増益となった。そして、2004年度も、上場企業の売上高は7.0%増、経常利益は25.0%増で、3年連続の増収増益となった。特に、2003年度と2004年度の経常利益は、2年連続で過去最高となった。

(注)経常利益とは、企業の毎年の経常的な活動により、生じた利益である。営業利益プラス営業外利益により、計算される。

(4)このような好調な企業業績の要因は、バブル崩壊後の過剰雇用、過剰設備、過剰債務の3つの過剰問題の終息による企業の体質改善が大きかった。

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