インフォーメーション・サービ88:2006年度対策 経済史・経済事情 連載第3回


V 家計支出

1 個人消費の減少が続く

 1998〜2003年度まで、現金給与総額や可処分所得が減少し、個人消費の減少が続いている。2002年は、現金給与総額が前年比2.9%減と減少が続き、最大の落ち込みであり、2003年も減少した。そのため、可処分所得の減少も続いている。

 景気後退下で、個人消費は、2001年度は3.4%減と急減し、景気後退の大きな要因となった。景気回復に転じた2002年度以降も、個人消費は、低迷していた。 しかし、図2−1のとおり、2003年秋以降、個人消費は明らかな増加となっている。

 これは、2003年からの雇用リストラの一巡により、完全失業率が低下し、家計所得が下げ止まり回復してきたことが主な要因である。

 家計消費の内訳として、デジタル家電などの耐久消費財が伸び、携帯電話使用料、インターネット接続料、国内、海外旅行などのサービス支出が増加している。

2 住宅建設の推移

(1) 99年の住宅減税拡充措置は、ローン残高の一定割合を税額控除する控除期間が6年間から15年間に延長され、控除額の最高額も170万円から587.5万円へと3倍以上拡大された。ただし、適用期間は99年から2001年6月中に居住した者のみである。分譲マンションの平均工期は13ヶ月であり、この減税は2000年半ば頃まで効果を与えたといえる。そのため、99〜2000年まで、分譲マンションを中心新設住宅着工戸数は堅調に増加した。

(2) しかし、2001〜2002年の新設住宅着工戸数は、減少に転じた。税額控除額が最高50万円に縮小されたことや、景気後退感が強まるなか、住宅購入に慎重な姿勢が強まったことも大きな要因である。

(3) 2003年は、住宅ローン減税の延長(期限の2003年末から2008年末への延長)が決まっていない段階での駆け込み需要や住宅ローン金利の先高観などにより、前年比0.8%増の約116万戸であった。

 2004年も、景気回復を反映し、118万9,049戸と前年比2.5%増加した。総戸数は、IT景気で着工戸数が伸びた2000年以来の4年ぶりの増加であった。

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