インフォーメーション・サービ129:良質かつ頻出問題の研究 第一弾
過去に公務員試験で出題された問題の中で、その分野の理解に役立ち、今後の出題にも応用できると考えられる良質かつ頻出の問題の研究は、必須のものである。当欄では、このような視点から良質の問題を取り上げ、解説する。読者が、それぞれの分野、問題の理解に寄与して頂ければ幸いである。
[需要の価格弾力性]
需要量をx、価格をpとし、需要曲線がx=100−40pである場合において、p=2としたとき、需要の価格弾力性(絶対値)は(A)である。また、このとき、価格が2%上昇すると、需要量の変化率は(B)%になる(平成19年国家U種)。
A | B | |
1 | 2 | −4 |
2 | 2 | −8 |
3 | 4 | −8 |
4 | 4 | −12 |
5 | 6 | −12 |
[解説] 需要の価格弾力性(ε)は、次式で示される。
ε=−需要変化率/価格変化率=−(凅/凾吹j・(p/x)
p=2のとき、需要曲線により、
x=100−40×2=20
となる。需要曲線より、凾/凾吹=|40であるので、
ε=−(−40)×(2/20)=4
となる。よって、Aは4が正答である。
このとき、価格が2%上昇したとき、上記の公式より、需要変化率=−ε・価格変化率=−(4)×0.02=−0.08となり、8%減少する。Bは−8が正答である。 よって、正解は3である。
[補足] 需要の価格弾力性(ε)は、例外を除けば、通常需要曲線上の各点において異なるのである。たとえば、需要曲線が直線の場合に、凅/凾垂ヘどの点においても同じであるが、p/xは需要曲線上を右下に移動するにつれ減少する。つまり、εは低下していく。
ただし、x=a/p(a:定数)のように需要曲線が双曲線の場合には、px=aとなり、常に売上高pxはaで一定である。つまり、需要曲線上のどの点においても、ε=1となる。これが、例外の場合である。